堅実女子ニュース&まとめ 【東京深夜0時、結婚しない女】男に生まれたらよかったのに……高齢処女の苦悩。マネージメント会社勤務・浩子(35歳)~その2~

東京に生きる、結婚しない女性のストーリー。今回の主人公は、マネージメント会社で働く、浩子(35歳)。 

浩子が1年間片思いしていたバツイチの40代の上司が、アシスタントの25歳の女性とタクシーで消えた翌朝、浩子は朝7時に出社した。将来に不安を抱えたときは、目の前にある勉強や仕事をするに限る。

仕事は結果が出なくてつらい時もあるが、やっている最中は守られているような気がするのだ。目の前にある事象をまとめて入力していれば、戦略を目の前に示してくれる。データに照らし合わせて試行錯誤をしつつ前進していけば、今よりもいい未来に運んで行ってくれるからだ。

しかし、人の心はそうはいかない。苦労して入力したデータが、突然誰かのものになっていたり、PCそのものがクラッシュしてしまうこともある。浩子は、昨日アテンドした海外アーティストの意向を反映した戦略を立てながら、失恋によって暗い方に向かってしまう気持ちを、必死で抑えていた。まるで高校生のように揺れる心を持て余しながら、実年齢よりも人の心というのはずっと幼いのではないだろうかと浩子は思った。恋愛や婚活の世界では35歳は老婆のように扱われるが、実際には感情の制御ができるようになり、やっと大人になれたと感じたばかりの微妙な年ごろだと思う。

それなのに、老いの気配は目尻や頬に潜み始めて、感情が揺れ動くとともに表面に現れる。浩子は老いに対する絶対に勝てない戦いを仕掛ける気はなかったが、昨晩、一緒に飲んだネイリストの愛子は、老いと徹底的に戦うと宣言していた。シワがもっと目立つようになったらボトックス注射を打ち、シミはレーザー治療をすると断言した。それでも老いは確実に現れる、抗ったところで消耗し、戦況は泥沼になっていくのは目に見えている。そのうちに、何が敵か味方かわからなくなって崩壊の道をたどるしかないのでは……と浩子は思った。

仕事ができるだけではなく、若さや美しさを求められる現実に女は応え続ける……

1 2