堅実女子ニュース&まとめ 【勤続10年女子】母子家庭から大学に進学。奨学金の繰り上げ返金を目指し、仕事に生きる日々~その2~

入社すると、社会人として必要なビジネスマナー研修や、社内の各部署の説明や簡単な現場実習が始まった。飲食店でのバイト経験しかなかった彩さんにとっては、毎日、緊張感でいっぱいだった。研修が終わった後の配属先は、商品開発部ではなく営業部。

最初に彼女が担当したのは、家庭向けの用途の営業。スーパーマーケットなどに出向いて、担当者に新商品などを営業しなければならなかった。業務用とは違い、なかなか新しい販路が確約できず、営業成績が伸びずに悩んでいた。商品の特色や、消費者へどうやったら受け入れられるかなど、短い時間でアピールするのが彩さんは苦手だったのだ。

営業先の担当は、彼女よりもかなり年上の男性ばかりだった。「もしかしたら、見た目が若く見えるせいで、話をよく聞いてもらえないのかもしれない」。そう考えた彼女は、白いシャツや黒やグレーのパンツなどきちんと見える服を買いそろえた。スーツを毎回、クリーニングに出すと大変なので、スチームアイロンや、ドライ用洗剤なども購入し、自宅クリーニングをできるようにした。身なりがきちんとするようになると、街中で偶然会った高校の同級生からも「キャリアウーマンみたいだね」と一目置かれるようになった。

彩さんは大学卒業後も、母と二人での暮らしを続けた。元々身体が弱い母に代わって、彼女が生活費などを負担するようになっていく。先日、大学4年間の間に借りた奨学金約260万をついに完済した。大学を卒業して10年くらいで返すのを目指していた。毎月2万ほどの返還は辛かったが、残額が減っていくと、繰り上げ返還を目指しさらに節約を心掛けた。彼女は働くようになって、母が楽器の営業をしていたのを思い出した。食品よりも売るのが難しそうな楽器を販売して、学校に通わせてくれた母を思うと、これまでよりも感謝の気持ちが込み上げてきた。

3年前に、家庭用営業から外食チェーン店や、給食センターなど業務用商品の営業部署に異動になった。大学時代のカフェ勤務の経験を生かし、自社商品を使ったレシピやメニューなどの提案や、タイアップ企画なども実現した。勤続して10年が過ぎたあたりから、自主的に仕事を提案できるようになり、楽しくなってきた。

今は、付き合っている人はいないため、結婚はまだ考えていない。それよりも、仕事で成果を出したいという気持ちが強い。研究が必要な商品開発は無理だと思うが、商品を使ったアレンジやメニューの提案など、まだまだ自分がやりたいと思う仕事がでてきた。「今は仕事が一番楽しい」と彩さんは語る。

 

同じ調味料でも、メーカーや製造国が違うものを揃えている。

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