いい転職をした女性と、悪い転職をした女性が、その差は何かを語ります。今回は短大卒で地元の不動産会社に就職し、25歳で専業主婦に。35歳で離婚し、上京してウェブサイトを運営する会社に勤務して3年になる岡山瑞希さん(仮名・38歳・滋賀県出身)のお話です。
結婚したら、子供を心配され、義父までが子作りに介入
ウチの地方は、夫婦は子供ができて当たり前だと思われていて、それができない人は“かわいそう”という扱いにされてしまう。30歳を超えたあたりから、「なぜ子供ができない、病院に行って診てもらいなさい」などと、ウチの両親だけでなく、義父からも言われてゾッとしました。
子供は別に欲しくなかったので、タイミングをずらして夫婦関係を持っていたんですよね。でもあまりにも、子供を催促されるので、32歳の時にデキる時期に試してみたら、すぐに陽性反応が出ました。
不安定な時期だというのに、夫は親戚中に吹聴してしまい、「イヤだな」と思っていたら、8週で流れてしまった。あのときはショックだったし、周囲の人も落胆していました。そりゃそうですよね、待望の孫ができなくなってしまったんですから。何よりも夫から「なんだよ、子供を作る気、あるの?」と言われて、「いつか絶対に離婚する」と思いました。
流産した年に、東京から移住してきた男性と親しくなる
私が32歳だった6年ほど前って、“地方創生”とか言われて、都会から地方に移住することがブームになっていたんです。私が働いている道の駅のスタッフとして、10歳年上の男性が就職したのですが、その人は東京出身だったんですよね。
なんとなく気が合って、ムダ話をするようになりました。都会から来た人って、田舎のことを心のどこかでバカにしていることが伝わってくるのですが、この人は違いました。ある日ふと、「この街の人って、あまり遊んでいないよね」と言い出すんですよ。ホントに疑問に思っているのが伝わって来たので、「そんなことないですよ、友達同士、東京や大阪のテーマパークに行くし、バーベキューしたり、飲み会もするし……」と答えたら、「そうじゃなくて、なんか真面目だし、すごい世間体を気にしているし」と言う。
そんな感じで、1年ぐらいだらだらと話しているうちに、私が抱えていた漠然とした不安の正体が掴めてきました。
「平凡な私」は、親と同じような人生を疑問なくトレースする