「彼に最初の双子が生まれた時は、奥さんに嫉妬しました。レスだって言っていたのに、全然そんなことはないじゃん、と悲しくなった。それに、妻とはいえ別な女性と密接な関係をしているのに、私とも関係を持つという感じが、不潔に思えたんですよね。あとは、ちょっとした別れ話はちょくちょくありました。そのたびに彼が『俺は倫子を愛しているんだ』と私の目を見て言う。そんな男、この世の中にいないじゃないですか。私は彼と付き合う前は、同世代男子と恋愛していましたが、みんな逃げ腰な人ばっかり。ケチだし、俺様だし……」
彼がくれる『倫子は仕事ができる』『倫子はよく頑張っている』という言葉も、大きな意味を持っていたという。
「大人になると誰もほめてくれないから、彼に依存していたんですよ。でもやっぱり不倫は良くない。誰かを傷つけたり、もやもやさせているから。おそらく、奥さんは私との関係に気付いて黙っていたと思うんです。それは、家や子供、そして法律的にも守られている妻としての自信ですよね。私なんて、彼との愛情だけでつながっているから、不安でたまらないですもん」
彼の気配り、経済力、仕事の能力、胆力に慣れてしまったから、同世代の男性が物足りないどころか、バカに見えてしまうそうだ。
「年上の男性と不倫している女性は、おそらくみんなそう思っていると思いますよ。だからいつまでも別れられない。散々、いい思いをさせてもらいましたが、妻には絶対に勝てない。それが35歳でわかってよかったと思います。でも、別の男性とはしばらく恋愛はできないような気がします」

彼との旅行は、常にビジネスクラス、一流ホテルに宿泊していた。「今さら庶民派旅行には戻れない」と語る。