堅実女子ニュース&まとめ 女子より深刻…! 飲食店で見かける「マウンティング男子」の切なさ

社交性の女子、社会性の男子

もともと、流行り言葉として先行したのは「マウンティング女子」だった。だがこの言葉にはどこか違和感があった。一般に「マウンティング女子」の対象となるであろう、意識の高い女性は社交性が高く、公衆の面前で相手を見下ろすような上から目線を全開にはしない。言い換えれば、そうした女性は「社交性の生き物」なのだ。高度なコミュニケーションを武器に、給湯室や井戸端会議的社交の場で密かに企む。なるべく矢面には立たないように――。

かたや、男性はどうか。男性の世の中との関わりは、主に仕事や会社と通じて生じるものが多い。つまり男は「社会性の生き物」なのだ。正確に言うなら「社会に支配されることに自覚的な生き物」だ。いい悪いは別として、白馬の王子様的幻想を抱くのは難しい。もっと言えば、本気でそう夢想する男性がいたらキモい。

たいていはある程度の年齢に達すると仕事に就くし、少なくとも2016年現在、結婚という一大通過儀礼を経たからといって、男性が「仕事」から逃れられることはない。もちろん、人との関わりを完全に絶って成立する仕事もまずない。そうした社会のなかで、少しでも上位に君臨するためのプログラム――社会性が男性には刷り込まれてきた。

社会性とは、組織やコミュニティを機能させるためのスキルでもある。だが、先の例などは周囲という社会からの評価をほしがるあまり、思わずマウンティングしてしまい、失笑されてしまう好例であり、アンビバレンツの象徴的事例でもある。自ら不全感を埋めるために躍起になると無理が生じ、結果、他人からの評価を下げてしまう。一方、他者との比較や相対論に取り込まれず、対象にまっすぐ向かう人には(たとえば飲食ならば)店、知識、人脈などのストックが生まれやすい。同じ興味にまっすぐに向かう者同士こそが、次なる高みに到達できる。

「持てる者はますます富み、持たざる者はさらに失う」

(フードアクティビスト 松浦達也/citrus)

 

 

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