堅実女子ニュース&まとめ 欧州から見るとフシギすぎる!日本独特の“キャッシュレス”事情

オンラインバンキングでの生体認証や手のひらをかざすだけで本人確認OKのキャッシュカードが登場するなど、2020年を目標にキャッシュレス社会を促進すべく、官民ともに力を挙げているようですね。しかしその一方で、「キャッシュアウト」(※)という時代の流れを遡上しかねないサービスも登場したりと、根強く残る現金主義とキャッシュレス化とのせめぎ合いが感じられるのも事実。日本は先進国でも異例のキャッシュ社会と言われていますが、訪日外国人たちは滞在中どのように感じているのでしょうか?今回は私の住むヨーロッパから日本のキャッシュレス事情に対する素朴な疑問を見ていきたいと思います。
(※銀行のキャッシュカードを使い、顧客がレジで預金口座からお金を引き出す仕組み)

私たちが普段使っているキャッシュカード、欧州から見ると……

私たちが普段使っているキャッシュカード、欧州から見ると……

なぜ“マエストロカード”が使えないの?

マエストロカードはヨーロッパでもっとも普及しているマスター系デビットカードのひとつで、こちらでは万能ともいえる一枚ですが日本では宝の持ち腐れ。ちなみに私は2000年代半ばにオーストリアのウィーンに越したのですが、その際に預金銀行から自動的に付与されたマエストロカードのあまりの利便性に衝撃を受けたのが忘れられません。

こちらのほとんどの小売店やカフェテリア、公共機関、病院に至るまで支払いが網羅できるうえ、慣れないユーロで毎回お釣りを確認したり、小銭を持ち歩いたりする煩雑さからも解放されました。また、私は客室乗務員として欧州内外へフライトする機会が多かったのですが、渡航先でも両替に奔走することなく、各地のATMから現地通貨を簡単に引き出せたのも大きな魅力。しかもクレジットカードと違って即時決済ですので、使い過ぎる心配もありませんし、これ一枚でほとんど「いつでも」「どこでも」決済できるため、どれだけ精神的余裕と時間的恩恵にあずかったか計り知れません。

これほど便利なマエストロカードですが、日本での知名度は高くないばかりか、現在は新規発行が停止されている状態です。デビットカード自体は存在するものの、国内での保有率が14%、利用率も6%止まり(2016年度、JCB調査)。都心はまだしも、地方ではたとえ観光地でも決済できる店舗やATM設置が限定的であるため、何でもマエストロカードで支払う習慣のあるヨーロッパからの訪問客たちはかなり不便な思いをしているようです。

サインレス決済の上限額、高すぎない?

クレジットカード決済時にサインも暗証番号も不要な「サインレス決済」。日本でもデパ地下やドラッグストア、スーパーに衣料品店のユニクロといった混みあう店舗で積極的に採用されているのが特徴ですが、ヨーロッパの人たちはその決済額の上限に驚く様子。

というのも、加盟店ごとの契約により差があるものの、日本では基本的に1万円まで、店によっては3万円まではサインレスで対応可能で、これはオーストリアとドイツの上限25ユーロ(約3400円)、スイスの40フラン(約4600円)と比べるとその差は歴然。日本の治安の良さを象徴しているのかも知れませんが、サインすら不要な状況で上限額が高く設定されていると、どうしても不正利用が懸念されてしまうようです。

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