堅実女子ニュース&まとめ もはや冬限定じゃない! 目黒のファミマで「焼き芋」が売れ続けるワケ

ファミマ×ドン・キホーテの共同実験店で「焼き芋」が売上を伸ばしていて、ファミマの幹部も「なんで焼き芋が売れているのかわからない」と困惑しているというニュースを見ました。しかも、記録的な猛暑となった夏にです。このファミマの実験店舗の所在地は、JR目黒駅から徒歩10分、おしゃれなファミリーが暮らす目黒区の「大鳥神社前店」とのこと。まだ、巣鴨や戸越銀座などシニア層が多く暮らしていそうな場所なら、ご年配者が焼き芋を懐かしんで買っているのかな?とも思いますが、そういう単純な話でもなさそうです。

季節を問わず食べたくなります!

季節を問わず食べたくなります!

一般財団法人 いも類振興会によると、2003年頃からさつま芋の消費量が伸びているのだとか。確かに、焼きいもの専門店が人気だったり、イベントが開催されたり、SNSでもさつま芋をよく見かけます。

なぜ、「焼き芋」は季節を問わず人気になったのか? その真相を困惑中のファミマ担当者に代わって、解明していきましょう。

焼きいも=「冬のおやつ」「女性がこっそり食べるもの」という昭和的イメージ

「焼きいも」と聞くと、みなさんはどんなことをイメージしますか? 世代間でかなり異なるのではないかと思いますが、30代以上なら「い~しやきいも~おいも~」とおじさん声で町中を走る石焼芋移動販売車のサウンドが脳裏をよぎる方も多いでしょう。「冬になったら焼き芋!冬の風物詩!」と日本人に沁み込ませた、地道なプロモーションの賜物です。

潜伏期間を経て、新しいイメージの「焼き芋」が誕生

そんな焼き芋も、一時期(2000年近辺)は暮らしの中でめっきり見なくなりました。ダミ声の焼き芋移動販売車にも遭遇しませんし、落ち葉を集めて焼き芋……なんて現代日本では、迷惑行為でしかありません。

いつの間にか昭和的な焼き芋は姿を消し、「原体験醸成」の機会が無くなったように思います。この消滅が「昭和的焼き芋イメージ」を一新し、今の時代にフィットした「焼き芋像」にアップデートするきっかけになったのです。その背景を少し深掘りしてみます。

理由1:「ホクホク→ネットリ」による品種の代表選手の交代で、スイーツポジションに

前述のいも振興会によると、江戸後期~2002年まで、日本のさつま芋と言えば、肉質が締まった硬いホクホク系の品種が人気だったようですが、2003年頃に鹿児島県種子島産の「安納紅(通称:安納芋)をはじめとする、ネットリ・シットリ系の芋が人気になったようです。その後、このトレンドを支えるように代表品種となった「紅はるか」が07年に登場。11年には、全国規模で普及しはじめました。

ホクホクの「昭和の焼き芋」は確かに、安納芋と比べれば甘みは弱い。だからこそ、大学芋など糖類を加えて、献立の一品としての利用が深まっていったのでしょう。対して、「平成の焼き芋」は、そのまま食べることが一般的な食べた方です。シットリ&ネットリ系は、おやつというよりスイーツという印象が強く、口の中でねっとりと絡む口当たりは、カスタードクリームやチョコクリームのような粘性を思い出します。

さつま芋は、嗜好性の変化に合わせて仕掛ける代表品種を変え、スイーツのような存在感を際立たせていったのでしょう。品種の代表選手交替で、スイーツポジションに「焼き芋」は生まれ変わったのです。もちろん、そのポジションに持ち上げていったのは中食(コンビニ)スイーツの役割を無視することはできません。コンビニスイーツで気軽に安納芋ブランドと接触したことで、風味や食感への理解・認識が広まったことは言うまでもないでしょう。

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