ライフスタイル 今注目のバルト三国 、素朴な美しさを残すラトビアの魅力5つ  

3:樹木とともに生きるラトビア神道の教え

国土の半分が森に覆われているラトビアでは、木はとても身近な存在。生まれたときに使うゆりかごから、一生を終える際に入る棺桶まで木材にお世話になることから、「人生は樹木と共に過ごすもの」と言われています。そんな豊かな自然が残るラトビアで信仰されている「ラトビア神道」は、自然と太陽の移ろいを基調として、あまねくものに宿る神々と祖先の霊を敬い日々を過ごす教え。ラトビア人の20%ほどが信仰していると言われています。

ラトビア神道の総本宮「ルアクステネ神社」。ダウガウ川の島にあり、船で参拝します。ロシア、ソ連の支配からラトビアが独立回復してから初の社殿で、2017年に作られました。

ラトビア神道神社の祭壇。窓のそばには結界を示す白樺の若木があり、新夫婦の誓いを固める石が置かれています。

天井から下がっている麦わらでできた「プズリ」と言われる装飾は、冬至に家族で作るものでもあります。正八面体で、銀河系を表しています。

参拝する際に定められた一つ一つの動作にはそれぞれ意味があり、建物のそのものがラトビア神道の宇宙観、世界観を表しているのを感じます。ラトビアの大地に今も息づく神々の教えに触れることができますよ。

4:映画のワンシーンのように美しい夏至祭

ラトビアでは毎年6月23日と24日が、夏至祭の日です。一年で最も太陽の時間が長い夏至の日は、さまざまな魔物が出てくると言われ、丘の上に灯明を掲げてかがり火を焚き、眠らずに明かりを絶やさずにいることで、魔除けをするのです。この日、女性は野の花で花かんむりを編んでかぶり、男性は柏の木の葉で冠を作ります。民族衣装に身を包んだ女性たちが野原で花かんむりを編む姿は、映画のワンシーンのような美しさです。

野原で花を摘む女性たち。

ラトビアでは、かつて既婚の女性は頭巾などで頭を覆う風習がありましたが、夏至祭の日は未婚既婚問わず、頭上が空いた花かんむりを被ることができます。それには、この夜だけは夫から自由になれるという意味も含まれていたとか。夏至祭は、天福神ヤーニスのお祭り。この日はすべての人が、等しくヤーニスの子どもになると言われています。

夏至祭の会場となった野原では、民族楽器での演奏に合わせて皆で民謡を歌い、輪になって踊ります。

灯明を掲げるために丘を登っていく人々。夏至の頃は夜の11時頃でも夕暮れのような明るさのままです。

かがり火に、昨年作った花かんむりを入れてお焚き上げをします。

5:大地の味わい豊かな郷土料理

美しい自然が残るラトビアには、おいしいものもたくさん!ラトビアを訪ねたら味わいたい、素材の風味が豊かに感じられる食べものをご紹介します。

乳製品のおいしいラトビアでは、アイスクリームもよく食べられています。こちらはオーガニックで手作りのアイスクリームの盛り合わせ11€。バターミルク、かぼちゃ、ルバーブなど、ラトビアの食材をふんだんに使ったアイスクリームは、とろけるような味わいです。

Skrīveri Homemade ice-cream(スクリーヴェリ手作りアイスクリーム)  https://majassaldejums.lv/

ラトビアの食生活に欠かせないチーズは、夏至祭でも神様に供える大切な役割を果たします。特に金色の丸いチーズは太陽の象徴。農場で取れた新鮮なミルクの風味がそのまま閉じ込められています。

Vecsiljāņi farm/ Ievas siers(ヴェツスィルヤーニ農場「イエワ・チーズ」 http://ievassiers.lv

パイクパーチにグリーンピースのピュレを添えて。新鮮で風味豊かな野菜も特徴です。

Restorāns Klidziņa (レストラン「クリヅィニャ」)https://www.facebook.com/klidzina

 

☆☆☆

美しい自然と土地に息づく風習や伝統が今も豊かに残されているラトビア。

きっと強く心惹かれる風景と出合えるはずです。

写真・文:内山さつき
取材協力:CAITOプロジェクト(田園ツーリズムプロジェクト)
機材協力:フィンエアー

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