ライフスタイル 深まる秋…暗い夜空にときめくアンドロメダ姫をめぐる愛憎劇

眠れない夜は、星空を見上げてみましょう。11月初旬の夜空は、特に目立つ天体現象はなく、月も満月をすぎて欠けていくばかり。ひっそりとして心が落ち着きます。

実は夜9時ごろまで、夏の大三角形が西の空にかかっています。深まる秋、西に沈みゆく夏の名残……今年の夏の思い出はなんですか?と、なにげにわびしい気分になれるのが、秋の夜空のよいところ。

11月中旬20時ごろの星空。初旬の21時頃です。(出典:国立天文台)

スター1★アンドロメダ姫をめぐる星たちの愛憎ドラマ

ほぼ真上に見える目立った星は、天馬ペガスス座です。この秋、一番目立っているのは火星ですが、それより高いところに見えるでしょう。

このペガスス座の周辺にあるアンドロメダ座、カシオペア座、その右側のケフェウス座は、どれも目立ちませんが、ギリシャ神話では知られた登場人物です。星は地味ですが、星座の神話はなかなかドラマチックです。

アンドロメダ座の西側にはペガスス座、東側にはペルセウス座がひかえています。腰のあたりにアンドロメダ大銀河があります。
(出典:iステラ/アストロアーツ)

アンドロメダとは姫の名前。古代エチオピアの、カシオペア妃とケフェウス王の娘です。カシオペア座はペガスス座と並んでよく見える秋の2大星座の1つですね。このカシオペア妃がちょっと高慢な女だったようで、「娘アンドロメダの美しさは、海の妖精たちにもかなうまい」と豪語していました。それを聞きつけた海の神ポセイドンが激怒。アンドロメダ姫をさらって、化け物くじらのティアマトの生け贄にされることになってしまいました。

そこに天馬ペガススに乗った勇者ペルセウスが通りがかります。ペルセウスは化け物くじらを退治し、アンドロメダ姫を助け出しました。星図には、化け物くじらの生け贄として、岸壁に鎖でつながれているアンドロメダ姫が描かれています。勇者ペルセウスに助け出されているので、空では鎖は千切られているはずです。

よく見ると、アンドロメダ座はペガスス座とペルセウス座にはさまれています。ペガススの背に乗って天まで昇ったのでしょうか。そして近くには,母カシオペア王妃と父ケフェウス王が、一年中ずっと付いて回っていますので、アンドロメダ姫は一生、箱入り娘ということでしょう。眠れない夜は、アンドロメダ姫の境遇に思いを馳せてみてください。

スター2★一度は見たい!アンドロメダ大星雲

アンドロメダ座には明るい星がなくて目立ちませんが、アンドロメダ星雲という有名な星雲があります。アンドロメダ大星雲と大がつくほど、壮大な星雲です。星雲とは銀河のことなので、つまりアンドロメダ大銀河です。

アンドロメダ銀河は銀河系のお隣さん。Credit:T. Rector and B. Wolpa (NOAO/AURA/NSF)

地球からは230万光年ほど離れた場所にあります。なんとも想像を絶する遠さですが、北半球から見える、一番近いお隣さんの銀河なのです(240万年光年、250万年光年とする説明もあります)。町中でも、双眼鏡があれば観測できます。

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