ライフスタイル 「オンライン治療相談」からセカンドオピニオンを受ける流れとは?乳がん治療で知っておくべきこと

引き続き、がんに特化したオンライン相談「Findmeスペシャリスト・ドクターズ」のサービスを利用している医師、患者側からのお話を伺っていきます。

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◆プロフィール◆
増田慎三医師
国立病院機構大阪医療センター乳腺外科。約20年以上に及ぶ乳腺専門医の経験をもとに、常に継往開来(経験の蓄積と常に最善を探求する)の精神で、患者さんと対峙。患者や家族に寄り添い、一人ひとりにとって100%満足な結果を常に目指している。
https://www.findme.life/doctors/7354890/masuda-norikazu/

伊藤さん(仮名)
大阪在住。3年前に乳がんを告知され、全摘手術とともにシリコンを入れる同時再建を経験して、3年間はホルモン治療を継続。今年の夏に局所再発が見つかり、すぐに手術を行なうもその後の抗がん剤や放射線治療という治療方針を決断できずにオンライン相談を行なう。

遠方の患者には、近くの病院で同じ治療方針を持つ医師を紹介してもらえる

――オンライン治療相談の後にセカンドオピニオンを受けて、実際に先生の元で治療を行なう患者の方はどのくらいの割合でいらっしゃいますか?

増田先生(以下敬称略)「実際には3割くらいでしょうか。主治医の考えに納得いかないというよりも、主治医の考えが正しいという後押しがほしいという方が多いです。もちろんセカンドオピニオンを受けようと思ったときには主治医の考えが正しいのかどうかまずは疑問をお持ちだと思いますが、実際に受けた後に私たちのほうでも同じ方針だったということがわかると、安心されてそのまま主治医の治療を選ばれています」

――伊藤さんは実際に増田先生のセカンドオピニオンを受けて、治療方針を変えたと聞きました。

伊藤さん(以下敬称略)「増田先生の、主治医とは異なる治療方針を聞いて、すぐに主治医にセカンドオピニオンをしたい旨を伝えました。セカンドオピニオンの準備は1~2週間ほどかかり、実際に増田先生に対面でお会いしました。病理検査などの結果を事前にお渡ししていたので、オンライン相談での内容をより詳しく教えていただきました。放射線は手術でとり切れているのであれば必要がないこと、抗がん剤もしなくていいことなどです。私のがんはホルモン由来のものだったのでホルモン療法をしっかりやっていきましょうとの言葉をいただきました。私自身も放射線と抗がん剤はできればやりたくない思いがあったので、先生がしなくてもいいとおっしゃってくれて安心できました。それで3年、5年後になにかあるかはわからないけれど、今の自分の中で納得できたので」

――伊藤さんと増田先生は同じ近畿圏ということもあり、セカンドオピニオンへはスムーズに進んだと思いますが、全国の医師への相談を打ち出しているオンライン治療相談では遠方にお住いの方も多いと思います。

増田「確かに近畿圏ならいいのですが、遠方から来られるのが厳しい方もいます。一度北海道の方からオンライン診療を受けたときがあり、その場合は私たち乳腺科の医師の中で、臨床試験のグループやネットワークが全国にありますので、北海道の方には私と同じような治療方針を持つ医師がこの病院にいるなどの情報を伝えることができます」

――ご紹介いただける医師への紹介状は増田先生から出してもらえるのでしょうか?

増田「紹介状は元の主治医の先生に書いてもらう必要があります。オンライン相談では実際に診断したわけではありませんから。元の主治医に私が推薦する医師がいる病院への紹介状を書いてもらってください。名前を出す医師についてはお互いが知っている関係なので、主治医にも紹介する医師にも私の名前を出してもらっても構いません」

――ではセカンドオピニオンを受けたい旨を一度は主治医に伝える必要があるとのことですね。セカンドオピニオンを伝えるのは患者側からするとハードルが高いイメージがあります。伊藤さんはどうだったのでしょうか。

伊藤「私も実際にセカンドオピニオンを伝えるときは何度も頭を整理して、すべてをスマホのメモ帳に入れて、1つずつその文章を読むというかたちで伝えました。オンライン相談で別の先生の意見を聞いて、こんな治療があることを知ったと、すべて正直に伝えました。また、セカンドオピニオンを受けた後でも治療してもらえますかとも聞きました。セカンドオピニオン後に主治医に戻ることが可能なのかも確認しておきたかったので。

言いにくい心理としては、先生の顔を潰してしまうんじゃないかなって思いがあります。でも、私だけの意見ではなく、別の医師である増田先生の意見があるので心強かったです」

――伊藤さんは増田先生のセカンドオピニオンを受けて、最終的には主治医からの治療を選択されたそうですが。

伊藤「私の場合は、シリコンで再建していたので、主治医だけではなく同じ病院の形成の医師との付き合いもありましたから。複数の先生が治療に関わってくれているので、元の病院の先生に治療を続けてもらうことにしましたが、今後についてはまだ決めていません」

セカンドオピニオンができないまま、納得できないままに治療を始める患者も多い。
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