ライフスタイル 眠れない春の宵は、星図のおもしろい「かに座」を探してみませんか?

スター2★かに座は蟹か海老かロブスターか?

春の星座の先駆けとして現れるのが、かに座です。明るい星がないので目立ちませんが、ふたご座としし座の間の、ぽかっと空いた暗い所に潜んでいます。

以前もご紹介しましたが、かに座は黄道十二星座であるにもかかわらず、ギリシャ神話の中では勇者ヘルクレスに踏まれて瞬殺されるというエピソードしかない地味な星座です。でも、春先の眠れない夜にはぴったりの星座だと思います。なぜなら、星図がとてもおもしろいから!

日本の星図では、かに座というとこんな感じです。

星空シミュレーターアプリiステラに描かれたかに座。(画像:アストロアーツ)

当然ながら蟹の形をしています。足があまり長くなく、毛ガニっぽいです。

ところが海外の星空シミュレーションアプリには、こんなかに座も見られます。

Star Walk2に描かれたかに座。空を横切る点線は黄道を表しています。(画像:2021Vito Tecknology Inc.)

どう見てもこれは蟹ではありませんね。ロブスター? ザリガニ?  

さらに、昔の星図ではこんなふうに描かれています。

『天球図の歴史』大英図書館・ミュージアム図書より。

1723年、ドイツの天文学者ヨハン・ドッペルマイアが立案した星図の一部に描かれたかに座です。

なぜ、かに座の絵がこれほど違うの? というと、そもそも星座の「正式な絵」というのは決まっていないからです。なので、蟹とロブスター、どちらが正しいということはありません。日本では足の短そうな蟹の絵になじみがありますが、西欧ではロブスター型が広く知られているのかもしれません。

空を見上げると蟹でもロブスターでもザリガニでも、星座としては目立ちません。なぜ、この星の配列で蟹? という素朴な疑問も。そんなことをつらつら考えていると眠くなりそうです。 明日は蟹グラタンでも食べてみませんか? Zzz.

*文中の時間や星図は東京の国立天文台を基準にしたものです。

文/佐藤恵菜

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