ライフスタイル 食事はこれ一品で栄養の偏りもなし!宇宙食から派生した「完全栄養食」のお話

皆さんこんにちは。幼い頃からテクノロジーが大好きで、その甲斐あって入社した宇宙航空研究開発機構JAXAでは、人工衛星を作り、宇宙へとロケットで打ち上げた経験が冥土の土産になっている、齊田興哉(さいだともや)です。

今の世の中、SF映画の世界が現実になりつつあるテクノロジーが日々発明されたり、それを開発するスゴいベンチャー企業が出てきたりしています。そんなテクノロジーの中には、堅実女子のみなさんにも「すごいっ!」と興味を持ってもらえるモノもたくさんあるんじゃないか、そんな思いがあります。

……というわけで、これから「堅実女子×テクノロジー」で何が起きていくのかをお話していきたいと思います。

栄養はちゃんと取りたいけれど、何品も作るのは大変…。

一品食べるだけで栄養バッチリ!そんな食品があります

「一品食べるだけで、あらゆる栄養素をカバーできたらいいのに」。食事をゆっくり摂る暇もないくらい忙しい毎日を送っている堅実女子の皆さんは、そう思うこともあるかもしれませんね。

実は、そのような食材はもうすでに存在しています。食の分野に科学技術を組み合わせる「フードテック」は日毎に進化し、今では完全栄養食と呼ばれる食品も、多く誕生しているのです。

宇宙食の研究開発の過程で、人間が生きていくために必要な栄養素を、ごく小さな体積に封じ込める技術が発達しました。それが民間活用され、商品化に至っています。

例えば、ベースフード株式会社が開発した、完全栄養食品の生パスタ「BASE PASTA」。厚生労働省が定める、一食に必要な栄養素31種が練りこまれていて、小麦全粒粉、オメガ3が豊富なチアシード、葉酸がたっぷりな粉末昆布などの栄養豊富な原料で作られています。

パスタを食べるだけで、ビタミンやカルシウムまで摂取できるのは嬉しいですね。

完全栄養食品の生パスタ「BASE PASTA」の動画はこちら

また、大豆をお肉のような食感と味で食べられる「大豆ミート」(株式会社かるなぁ)という食材もあります。大豆に熱を加えることで、タンパク質の繊維構造を植物性から動物性に近いものにし、見た目、味、食感をお肉に近い形で再現。ベジタリアンやカロリーが高いものを控える必要がある人でも、お肉を楽しむことができます。

味噌の製造販売で知られるマルコメ株式会社は、「ダイズラボ」という商品を販売しています。ミンチ・フィレ・ブロックの3つのタイプがあり、さらにはダイズラボを使ったレトルト食品もある充実ぶり。

大豆ラボのレシピ動画はこちら

動物の細胞を試験管の中で培養して肉を生産する「培養肉」というものもあります。通常、牛や豚などの家畜を飼育するには、多くの食料と水、土地が必要。しかし、培養肉の生産にはこれらのコストがかからず、衛生・安全管理が簡単にできると言われています。

さらに野菜の栽培にも宇宙技術が用いられ、より安定して、従来の新鮮な野菜を安く手に入れられる時代も近づいてきています。

宇宙から自分の畑を撮影して、生育状況を管理

人工衛星を使って田んぼや畑などの農地を撮影すると、農作物の生育状況が分かります。日当たりの悪い場所や肥料のムラなどが生じている箇所を、把握できるようになるのです。なんと、作物の水分率やタンパク質含有率が撮影しただけでわかるようになる、近赤外線カメラもあります。

宇宙から農作物のチェックができるように!

現在、人工衛星での農地撮影はいくつかの宇宙ベンチャーが実験的に行うにとどまっていますが、これから人工衛星の小型化が進み、宇宙空間にたくさんの衛星が舞う時代が来れば、普及していくでしょう。リアルタイム中継のように自分の農地を撮影し、画面越しに農作物の生長を確認できるようになるはずです。

生育管理はもちろん、高級な農作物の盗難対策や輸送時の鮮度や温度の管理にも有効。スーパーや八百屋さんで、手に取る野菜すべてが、人工衛星で管理されたものになる日も近いのかもしれません。

生きていく上で欠かせない「食」を完全に管理できるようになった未来に、さてあなたは、どんな食事をしたいでしょうか?

文/ 齊田興哉