ライフスタイル 観劇にハマって早20年。コロナ禍で配信に情熱を注ぎ、使った金額は……!?【教えて!自分だけの趣味の世界】

100人いれば100の趣味があるもの。趣味を持っている人はなんだかいつも楽しそうにみえませんか? 
ここではまだ「趣味が見つからない」堅実女子に向けて、すでに幸せになれる趣味を見つけた方の「推し活」をご紹介します。

もしかしたら、あなたにもビビッと来る趣味がここから見つかるかもしれません!

すべては宝塚歌劇からはじまった

東京近郊に住む団体職員の有希さん(35歳・独身)の趣味は観劇。いろいろなジャンルのものを見ますが、なかでも好きなのはミュージカル。

「中学生のころから宝塚歌劇が大好きです。 きっかけは宝塚ファンだった知人に連れられて観にいった舞台でした。生で観たら知人以上にハマってしまって。地味だった学校生活とは全然違う、宝塚というきらびやかな世界に憧れがどんどん加速していきました。でも中高生の間はお金も時間もないので、なかなか観にいけませんでした。大学生になり自分でバイトをして稼げるようになってからは、全組(宝塚には花・月・雪・星・宙の5組があり、それぞれ公演を行う)を観るようになったんです。抑えていた気持ちを一気に解放したような感じでした」(有希さん)

そんな有希さんに転機がおとずれたのは「贔屓(ひいき)」のスターができたこと。「それまではどの人もまんべんなくかっこいいと思っていましたが、組内でトップスターに次ぐ二番手になった人を、すごく好きになってしまって。それまでは東京で観られるものは必ず観る、程度の熱心さだったのですが、いま考えるとまだたいしたことはありませんでした。贔屓ができてからは、宝塚市の宝塚大劇場(通称:ムラ)に遠征したり、全国ツアーを追っかけていったり、お金や有休はほとんど費やすようになりました。もちろん『会』にも入りました」(有希さん)

会とは人気のあるスターがもつ私設ファンクラブのこと。有志で運営されており、チケットの融通をしたり入り待ち・出待ちをしたりすることができる組織です。「会に入って入り待ちや出待ちでファンレターを手渡したり、お茶会というファンミーティングに参加したりして、すごく近いところで生で見られるようになったのは本当に幸せでした。お手紙も毎回書きました。少しでも伝わることがあれば、って願いながら。

就職してからはずっと忙しく、嫌なことがあってつらい時も多かったのですが、休日に観劇さえできれば、生きていける気がしました」と有希さんは言います。

お金も有給も、すべては観劇のために! 

有希さんの贔屓はやがてトップスターに。たくさんのファンの歓声を集めて活躍したあと退団、芸能プロに所属する女優になりました。それまでは舞台写真やDVDで友人に「こんな素敵な人ほかにいないから!」と贔屓を見せすぎてひかれることが続いていましたが、テレビなどにも時折出るようになってからは、紹介しやすくなったそう。でも「あ、きれいだね」というだけの反応をされることが多く「これは舞台を見せなくちゃ。パフォーマンスあってこそなんだな」となんとなく気づいたそうです。

「男装していた人がどんどん女性に戻っていくのに抵抗がある宝塚ファンは少なくありません。でもわたしは恋するタイプではないので、女性らしくなってもきれいな贔屓がやっぱり好きで。退団すると私設ファンクラブは解散しますが、また新たにファンクラブがつくられることが多く、わたしも再度贔屓のファンクラブに入りました」(有希さん)

退団後は宝塚を目指す受験スクールの講師や振付師などの裏方、芸能とは全く関係ない仕事をする人もいる中、トップスターとして絶大な人気を誇ったこともあり、有希さんの贔屓は映画や舞台にたびたび出演するようになりました。有希さんはもちろんそれらをすべて網羅。それまで宝塚以外ほとんど見たことがなかったので、そのミュージカルや演劇が新鮮で楽しかったといいます。

「宝塚が好き、というのが根底にあるのでガッシリした男性にはやはり抵抗がありますが、優男系というか中性的なら男性の俳優さんもいい、宝塚にはいないタイプの女優さんもいい……と、今度はミュージカル全般が好きになっていき、いろいろ観漁るようになってしまいました」と有希さんは若干困ったように言いますが、生き生きとしていて後悔はなさそうです。「だって贔屓が生きていてくれれば、わたしは生きていられるんですよ。拍手して手拍子して、涙して……それが日々のすべてなんです」

そんな有希さんに転機がおとずれたのは昨年3月。新型コロナウイルス感染拡大にともない、劇場やコンサートホール、イベント会場が閉鎖されたのです。

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