ライフスタイル 着物に恋して10年!友だちの結婚式で着たのがきっかけで、着付けの仕事をするまでに【教えて!自分だけの趣味の世界】

100人いれば100の趣味があるもの。趣味を持っている人はなんだかいつも楽しそうにみえませんか? 
 
ここではまだ「趣味が見つからない」堅実女子に向けて、すでに幸せになれる趣味を見つけた方の「推し活」をご紹介します。
 
もしかしたら、あなたにもビビッと来る趣味がここから見つかるかもしれません!

結婚式で振袖を着たら……運命の出合い

首都圏で営業の仕事をしている香織さん(独身・32歳)にはこの10年で大金をつぎ込んだものがあるそうです。

「きっかけは友人の結婚式に招かれたことでした」

そこで出会いがあったのでしょうか?

「いわゆる『イケメンに出会えた!』とかはなかったのですが(笑)、結果的にいまの趣味……というか生きがいになっているものに出合ってしまったという意味では、そうですね」とちょっと困ったような、でも楽しそうな笑顔を浮かべる香織さん。いったいそれは何でしょうか?

「着物です!」

えっ、着物ですか? 思わず聞き返しました。会社での営業成績もよい、いわゆる「今風のデキる女」という雰囲気の香織さんは、着物というイメージからは遠いような気がしたのです。でも所作などがきちんとしているし、案外似合うのでは?と思わせる部分もたしかにあります。

「成人式のときに祖母が振袖を買ってくれたんですね。でも写真を撮っただけでタンスの肥やしに。友人の結婚式に招待されたときに着ていくものがなくて、『そうだ!振袖にしよう!』と思ったのがきっかけでした。わりと大学を卒業してから間がないころで、会社も忙しかったので服を買いに行く暇がなかったのもその時の理由の一つでした」

間に合わせのつもりが……

着てみて着物のよさにはまったということでしょうか?

「いえ、着てみて……というよりは、その時自分で着られなかったことがなんとなく悔しくて。 次に着る機会がいつかはわからない状況でしたが、 自分で着られるようになりたいなとその時思ったんです」。そこで香織さんは、着付け教室に通ってみようと思ったのだそう。「仕事が忙しかったので土日に通えるスクールを探しました」

まるで自分に挑むように着付けスクールに通い始めた香織さんですが、そこには深い世界が待っていたそう。 

「どうしてこんなに道具があるんだろう、って最初はすごく不思議で。私は比較的細身なので詰め物もしなくてはいけないし、すごくたくさんの荷物を抱えて通うことになりました。それに大切な振袖を練習用に使うのがもったいなかったので、あまり高くない着物を買って、家でも練習することにしました。

ずっと運動部だったので、練習するということはあたりまえだと思っていました。しかもけっこうのめりこむタイプで。スクールでも仕事から帰宅してからも、習ったことができるようになるまで、ひたすら着付けの練習を続けていました。途中まで着付けて寝落ちしてしまったこともありますね(笑)。起きた時、何が起こったんだろうかと思いました。時代劇で見たような『あ~れ~』状態になってたり……」

だんだんと着付けができるようになってくると、今度は教室で学んでいる人の着ている着物が気になり始めたそうです。

「余裕をもって周りを見てみると、みなさんいろんな着物をお召しになっているんです。代々受け継がれているような立派な仕立てのかたもいれば、アンティーク調のものを好んでいる人、現代的な斬新なデザインのものを選んでいるかた……。わたしは着付けの習得だけに必死だったので、目から鱗が落ちたような気分でした。それでお話を伺ってみたら、着付けが目的というより、それが着たくて習っているという人のほうが多かったんですよね。いやもうびっくりするというか、みなさんの着物への愛がすごくて、自分のことをなんとなく反省しました」

その後、香織さんは着物と落ち着いて向き合う時間を作ってみたそうです。

「洋服だらけの現代でも実はさまざまな着物が出回っていて、あちこちで新作の発表会があったり、着物で出かけるサークルがあったり、着物で歌舞伎を鑑賞する人が多いとか、いろんな世界が広がっていることを知ったんです。

いろいろお店を巡ったり雑誌やカタログを見たり、誘われて展示会にでかけるうちに、むくむくと着物への物欲がわいてきました。やっぱり着られるようになったらいろいろ着てみたいですしね」と香織さん。たしかにその気持ちはわかります。

「アンティークは少女っぽいものが多くて、私には似合わなかったんですね。だからといって最初だから中古っていうのはなんだか気が進まなくて。せっかくだからと呉服屋さんを巡って気に入った新作着物を買いました。6桁はしませんでしたが、ボーナス払いも含めたローンを組みました。まだ社会人になって何年も経っていませんでしたが、後悔はなかったです。むしろ晴れがましい気持ちで。裾上げをしていただいている間もまだかなまだかな、って本当に待ち遠しかった」

こうして香織さんのディープな着物ライフがはじまりました。

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