ライフスタイル 皿が割れた→「金継ぎ」で生まれ変わった!ワークショップでお手軽体験

カン!という高い音とともに、割れた筆者の陶器の皿。買って1ヶ月しか使っていないお気に入りのお皿を、食器棚から落として割りました。その時はショックで涙が……捨てられず、「いつか金継ぎをしよう」と取っておきました。

悲しみとともに袋に殴り書きをして、割ったお皿を1年放置。

それから金継ぎについて調べていると、工房にお任せするほか、自分で直す方法を発見。ネットで金継ぎセットが売っていたものの、不安だったので今回は工房「Makers’ Base」で金継ぎ体験をすることに!割ってから1年経ってしまいましたが「早く行けばよかった」と思うほど手軽にできました。

破片がなくてもOK。Makers’ Baseで金継ぎ体験

Makers’ Base Tokyo。

東急東横線「都立大学駅」より徒歩1分の場所にあるMakers’ Base Tokyoは会員制のシェア工房。レーザーカッターや溶接機など幅広い分野の機器を100種類以上用意してプロ・セミプロに対応しつつ、誰でも気軽に参加が可能なワークショップを開催しています。金継ぎ体験もワークショップのひとつで、多くの参加者がはじめて金継ぎをする初心者。料金は6,600円(税込)です。

金継ぎしたお皿の例。破片が無くてもOK。

体験に必要なものは、「欠けや割れのある直したい器」と「持ち帰り用の箱や袋」だけ。道具はすべて準備してくれます。割ったお皿は破片を無くしてしまうこともあると思いますが、パテで修復できるので破片が無くてもOK。

金継ぎができる素材は陶器、磁器、ガラス製品。接着のしやすさは陶器→磁器→ガラス製品の順番です。筆者が割ったのは陶器だったので破片と破片がカチっとハマりやすく、接着がしやすいお皿でした。

所要時間は器の大きさや素材などよって異なり、1回2時間のワークショップで終わらない場合は複数回受講して完成を目指します。目安としては割れているのが2〜3か所であれば1回の参加で完成し、30cmほどのお皿が細かく割れてしまった方は5回通った人もいるそうです。逆に欠けを直すだけであれば早く終わるので、何個も持ち込んで金継ぎをすることもできます。

プロに教えてもらいながら、簡単な方法で。金継ぎスタート

割れてしまった部分に接着剤を塗る。

そもそも金継ぎとは、陶磁器の傷を漆を用いて修復し、銀や金で傷跡を美しく仕上げる日本の伝統的な技法。室町時代頃より続く美しい日本文化で、今サステナブルな技術として再注目されています。

しかし天然の漆を使うと手がかぶれてしまったり、湿度や温度を一定に保ちながら乾燥させたり、初心者には難易度の高い技。そこでワークショップでは漆の代用素材となる合成漆や接着剤を使って、はじめて金継ぎをするひとでも簡単にできる方法で金継ぎをプチ体験できます。

まずは先生に器を確認してもらい、どういったアプローチで直すかを相談していきます。器の割れ方は、千差万別。ワークショップでは先生が最適な方法での直し方を教えてくれるので安心です。

筆者のお皿の場合、割れてしまった部分に接着剤を塗るところからスタート。破片と破片がカチっとハマる場所をイメージして、固まる速度がゆっくりの接着剤で固定していきます。

パテで欠けてしまった部分を埋める。

接着剤が固まったら、余分に飛び出た接着剤をカリカリと剥がしていきます。そして欠けてしまった部分をパテで埋め、表面をなめらかに整えます。先生が隣でサポートしてくれるので、難しいことは何もありませんでした。

補強する意味での「金」。

そして合成漆&真鍮粉を混ぜたものを使い、傷をきれいに金色の線で描いていきます。金継ぎはその華やかさが注目されがちですが、金属でしっかり補強するという合理的な直し方でもあります。

傷に沿って塗っていく。

この金色がデザインそのものとなるので、一番緊張するシーン。つまようじを使って、お皿の裏から表までぐるっと一周するように塗っていきました。少し寄れたり曲がったりしましたが、それも味としていいかんじ!

真鍮粉をかけると、輝きが増す。

最後の仕上げとして、筆でささっと優しく真鍮粉をかけます。すると金色の輝きが増し、キラキラに!筆者は約2時間のワークショップで全ての作業を終えることができました。まだ半乾きの状態なので修復部分がつかないように箱に入れて持ち帰り、約3日間陰干し乾燥した後に洗って、使用できるようになります。

表・裏、ともに金継ぎできれいに。

金継ぎした器は電子レンジ・食器洗い機不可。そして60度以上の熱いお湯は入れられません。マグカップは修復部分にお湯があたらないように注げる場合はOKです。

☆☆☆

割った時には大ショックでしたが、金継ぎして美しく生まれ変わった筆者の器。道具は一切必要なく、接着のタイミングや美しい線の引き方など細やかに教えてくれたので、ワークショップに参加してよかったと心から思いました!自己流でやっていたら、本当に捨てるハメになっていたかもしれません。みなさんも家にある割れてしまった器、金継ぎで蘇らせてみてくださいね。

・Makers’ Base「はじめての金継ぎ体験」
住所:東京都目黒区中根1-1-11
HP:https://makers-base.com/tokyo/event/detail?event_id=450

取材・文/小浜みゆ