夏真っ盛り、いかがお過ごしですか? 早いもので8月7日は立秋です。暦の上では秋ですが、暑さの本番はこれからかもしれませんね! 今年も旅行に行けない……という人もたくさんいらっしゃることでしょう。寝苦しい夜を過ごしている方もいることでしょう。気分が落ちてしまったら、空を見上げてみませんか?晴れてさえいれば、そこに輝く星たちが見えるはず!
スター1★宵の明星がいちだんと明るい!
夕暮れの西の空に明るい星が見えたら、それが宵の明星、金星です。光度はマイナス4等。ふだんから明るい金星としても、キンキンに明るい時期です。日没は18時40分ごろなので、18時半ごろから西の方にキラキラと光ってみえるでしょう。20時頃までが見頃です。

金星のいる場所はしし座の膝のあたり。西の方角が開けていれば、火星も見えるかもしれません。しし座は真夏の夕方、西の地平線に頭からダイブして消えていきます。しし座さん、一晩ゆっくりおやすみください。
スター2★やぎ座、みずがめ座、うお座が真夏の夜中に

(画像:アストロガイドブラウザ2021/アストロアーツ)
時計の針が午前0時を回るころ、やぎ座、みずがめ座、うお座、みなみのうお座などなどが、南の空をゆうゆうと横切っていきます。これらの星座は明るい星が少なく、形もわかりにくいのですが、今年は木星と土星がずっといてくれるので見つけやすくなっています。
夜ふけに南の空を見上げると、明るい星が2つ目に入ると思いますが、それが土星と木星です。西寄りが土星、東寄りが木星です。特に木星は光度マイナス2.3とかなりの明るい。どちらも少しオレンジ色っぽく見えるでしょう。
土星はやぎ座の首のあたりに位置しています。
このやぎはかなり変わっていて、頭はヤギですが、お尻のほうが、くじらのような形になっています。脚も前の2本だけの半ヤギ半魚です。ギリシャ神話が伝えるところによりますと、ある羊飼いの神がナイル川のほとりで神々と酒盛りをしていたところ、化け物に襲われ、ナイル川に逃げ込んだときに変身した姿だとされています。あわてて飛び込んだので川に浸かったところだけが魚になったそうです。変な神様です。
木星を見つけたら、視線をぐーっと下ろしてみましょう。白っぽい星が見えたら、それがみなみのうお座の1等星フォーマルハウトです。
1等星の中でも知名度の低さで1,2を争うといっても過言ではないフォーマルハウトは、アラビア語で「魚の口」という意味とされています。前のページの星図では、まさに魚の口に位置しています。みずがめ座の美少年ガニメデスが持つ水瓶からこぼれる水を飲み込んでいるようですが、こんなに喜んで水を飲む魚がいるのでしょうか。水瓶からこぼれているのはお酒かもしれません。真夏の夜中、南の空ではふしぎな星座たちがワイワイ酒盛りしているようです。
地上でも夜の町で酒盛りできる日がはやく戻ってくることを願いつつ、今夜もやぎが一匹……Zzz

*文中の時間や星図は東京の国立天文台を基準にしたものです。
文/佐藤恵菜