ライフスタイル 秋の美しい星空を楽しもう!左向きの三日月とオリオン座を探してみて

秋は夕暮れ。かの清少納言さんが『枕草子』で書かれたように、秋の夕焼けは今も昔も美しいもの。この秋も西の空で秋を満喫しましょう。

スター1★日没後、金星が三日月に大接近

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9月10日18時半ごろの西南西の空。(画像:国立天文台)

ここのところずっと西の空に金星が輝いています。金星は夕方の西の空では宵の明星と呼ばれ、明け方、東の空に輝けば明けの明星と呼ばれる明るい惑星です。

9月上旬は夕方の西の空に注目してみましょう。おとめ座の一等星スピカも西の地平線近くにあり、金星よりも暗く控えめに光っています。おとめ座は春の星座ですが、夏の間は日中、空に上がり、夕方になって地平線に沈んでゆっくりお休みになるのです。

9月10日になると、三日月と金星が大接近します。

三日月はとても細いのですが、秋の三日月は左側を向いているのが特徴です。

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季節によって三日月の見え方が違います。左:春の三日月。右:秋の三日月。(画像:国立天文台)

太陽の見かけ上の通り道を「黄道」と呼びますが、春と秋では黄道の角度がぜんぜん違います。秋分の日を控え、冬に向かっていく今の黄道は、右の図のように角度が小さい。そのため月が斜め下から照らされるような形になり、三日月がきれいに横向きに見えるのです。

ちなみに春分のころの月は、左の図のように角度が大きく、月が下から照らされる形になるので、三日月はニッコリマークのように見えるのです。あなたはどちらの三日月が好きですか?

スター2★眠れない夜はオリオン座をお出迎え

さきほどは西の空に春の星座のおとめ座を見送りましたが、深夜になると、冬の星座が昇ってくる季節になりました。夜更かしさんには丑三つどきの東の空をおすすめします。

9月6日深夜2時ごろの東南の空。オリオン座が棍棒を振り上げながらりりしく昇ってきます。注目は三つ星がほぼ垂直になる瞬間です。(画像:アストロガイドブラウザ2021/アストロアーツ)

オリオン座は全天88ある星座の中でも屈指の均整の取れた美しい星座です。星座の形はよくわからないという人もオリオン座を覚えてしまうとコツがつかめるかもしれません。特別に目立つのが、オリオンの腰のベルトあたりで、ほぼ同じ間隔で並んで光る三つ星です。

三つ星の左側、オリオンの右肩にある赤い星はベテルギウスという1等星です。時期によって明るさが変わる変光星で、2020年はずいぶん暗くなって天文ファンを心配させました。というのも、ベテルギウスは、もういつ爆発してもおかしくないといわれる晩年の巨星です。近年は明るさが不規則に変化して目が離せません。今年のベテルギウスの明るさにも注目です。

三つ星の右側に見える青白い星はリゲルという1等星です。オリオン座は1等星を二つ持った豪華な星座です。リゲルはキラッと明るく、かなり目立ちます。

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昇りはじめのオリオン座。©Danc Danc(flickr)

ギリシャ神話のオリオンは海神ポセイドンの息子で、狩りの名人でした。星図では棍棒を振り上げていますが、力持ちの勇者としても知られています。月の女神(アルテミス)と恋仲になり、いっしょに狩りをするようになるのですが、それをよく思わないアルテミスの兄アポロンから恋のじゃまをされ、挙げ句アルテミス自身から矢を受けてしまいます。別のエピソードもあります。ギリシャ神話の大神ゼウスの妻から恨みを買い、サソリを仕掛けられてしまうのです。サソリの毒であっけなく死んでしまったといわれています。ギリシャ神話のどろどろした愛憎劇がいっぱいに詰まっているオリオン座です。天高く昇るころにまたご紹介しましょう。秋の夜はオリオンでグッスリzzz.

*文中の時間や星図は東京の国立天文台を基準にしたものです。

文/佐藤恵菜