ライフスタイル 観る人によってネタバレの内容が変わる映画『鳩の撃退法』。深い謎解き、そしてグッドエンド……え、バッドエンド!?

コロナ禍で真面目に自粛生活を続けていると、毎日誰とも話す機会がなかったり、いつも同じルーティンで一日が終わり、心を楽しく揺り動かされるような出来事に飢えていたり……。そんな方におすすめの映画があります。

軽薄かつセクシーな藤原竜也、さみしさに包まれた風間俊介、存在感がすごすぎるトヨエツと、様々なタイプのイケメンが登場。そして謎が謎を呼び、というか、どこまでが謎なのか、リアルはどれなのか……わからなーい!という驚きのストーリー。それを全部楽しめる、大ヒット放映中の映画『鳩の撃退法』です。

この映画のすごさを、キャストの一人、土屋太鳳さんがこのように語っています。

「参加型の作品ですので、まずは、思いっきり謎ときに参加していただきたいです。謎に引っ張られて作品の世界をヘトヘトになるまで走り回った後は、ぜひ盛大にディスカッションや深掘りを楽しんでください!!!この作品の大きな特徴は『ネタバレをしていい』というところ。この醍醐味を満喫しながら、噛めば噛むほど変わる魅力を楽しんでください!」

・・・ネタバレしていいってどういうこと?そんな映画、今までありましたっけ?

まずはストーリーをチェック

この映画の主人公は、藤原竜也が演じる、かつては直木賞も受賞した天才作家の津田伸一。彼はとあるバーで、担当編集者の鳥飼なほみ(土屋)に、書き途中の新作小説を読ませています。フィクションとして書かれたストーリーに引き込まれながら読み進める鳥飼ですが、話を聞けば聞くほど、どうにも、これはフィクションではないのではないか?と疑います。そこで鳥飼は、この小説が本当にフィクションなのかを確かめるために、舞台として描かれている富山に行き、検証を始めます。そして驚愕の真実へ--。

このあらすじだけを見ると、そこまで複雑? 謎解きもあるあるな感じ?と思ってしまうかもしれません。そこで、ご紹介したいのが、鳥飼が読み進める新作小説の中身です。


小説の主人公は著者である自分・津田。かつての小説家としての栄光はなく、富山のちいさい街でドライバーとして働いている。ある日、行きつけのコーヒーショップで偶然、幸地秀吉(風間)と出会い、「今度会ったらピーターパンの本を貸そう」という約束をして別れる。しかし、その夜を境に幸地秀吉は愛する家族と共に突然、姿を消してしまう。

それから一か月後、津田の元に謎の大金が転がりこむ。ところが喜びも束の間、思いもよらない事実が判明する。そして神隠しにあったとされる幸地秀吉一家、津田の元に舞い込んだ大金、津田の命を狙う裏社会のドンまでが絡み、多くの人の運命を狂わせる雪の一夜にすべてがつながっていく–。


ひょんなことから大金を手に入れてしまう津田。

ここです。なんと小説の主人公は、作家である本人・津田となっています。そして小説の中の話も、映画ではすべて実写で描かれます。つまり、津田と鳥飼がいる現実の世界と、津田が富山で生活しているという小説の世界が、同じ主人公を軸に展開されていきます。最初は、ここは現実、これは小説の中、と頭を整理しながら観ている……はずなのですが、両方の世界の登場人物が交差し、入り乱れ、気づけばどっちがどっちだったか、わからなくなっていくのです。

小説の中では、津田と秀吉が偶然コーヒーショップで出会うことからすべてが始まります

しかも、しかもですよ。片方は現実でも片方は小説の世界。つまりそこにフィクションが混ざっているわけです。となると、どこまでが本当で、どこまでがフィクションなの?この人実在人物なの?生きてるの死んでるの?結局このエンディングはグッドなの?バッドなの?……などなど、あっという間に頭の中が?????で埋め尽くされていきます。なんじゃこりゃー。

冒頭の土屋さんがネタバレOKと言っていた意味がわかりました。ネタバレしても、それぞれの方のネタバレの内容が、きっと、全然違うんです。そしてどれもが正しくて、どれもが間違っている……のかも。すごい映画に出合ってしまった。

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