ライフスタイル コロナ禍で1か月タクシーに乗り続けたアラサー女性が出会った、名&珍ドライバーたち【前編】

「電車やバスの密を避けたい」コロナ禍での移動手段として、選ばれる機会が増えたタクシー。今回は、深夜帰宅が続いた1カ月間、タクシーに乗り続けたという、和田成美さん(仮名・31歳)。その経験から、コロナ禍の東京の交通事情と、さまざまな背景を持つ、タクシードライバーとの交流についてお話してもらった。

電車は、結局めちゃくちゃ「密」

成美さんは、ある大きなイベントの仕事をしていた。短大を出てから10年間、同じ会社で仕事を続けており、マネージャー的な立場になっているという。

「コロナ禍でも開催が決まったイベントは多々あります。東京五輪はニュースになっていますが、そのほかにもさまざまなイベントがあり、規模が大きいほど、スタッフも多い。実際に仕事をしていると、リモートでできることはあまりないんですよね。ですから感染対策をしながら、現場に通っていました」

コロナ禍以前のイベント運営と比べて、スタッフを「疲れさせないよう」な配慮がされていた。

「疲労が重なると免疫力が下がることがわかっています。昔は“3徹してもやれ!”みたいな感じでしたけど、コロナ禍になってからは、“実質10時間勤務”が徹底されていたように思います。昔は“実質18時間勤務”だったりもしたので、かなり短縮されました」

18時間働いていても、その仕事が好きでやりがいがあって、それなりに給料もあったので、ブラックだととらえる人は少なかった。

「不当に搾取されているとか、やりがいがないなどの仕事はブラックになってしまいます。私の仕事は、多くの人の喜びにつながり、会社は利益を得て私たちに還元してくれるので、ブラックと思ったことはないんです。今回も、“絶対に終電で帰宅せよ”と言われましたけど、仕事の多くは終わりません。それに、私が住んでいる路線は、当時減便の影響もあって、めっちゃ“密”状態でした。そのことを上司に行ったら、“タクシーを使って、経費で出していい”と言ってくれたんです」

イベント1か月前になると、毎日のようにタクシーで帰宅するように。

「私の家は、会社から約3500~4000円くらいの距離。これが1万円だったら上司もためらっていたと思いますが…、感謝でしたね」

成美さんは倹約家で、「タクシーはぜいたく品」だとして育ってきて、今もそう思っているので、普段はほとんど乗らなかった。

「ただ、この1カ月間で、タクシーの魅力にすっかりハマってしまいました。コロナ禍でタクシーはエンタメなんだな、と思うようになったんです」

タクシーがエンタメたるその理由は?

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