ライフスタイル 先輩に学ぶ!非正規雇用「バツイチおひとり様」が、いい老後のために30~40代でしたこと【後編】

正社員と非正規、時には同じ仕事をしているのに正社員よりも給料が低かったり、労働環境が悪かったりすることもあり、そしてそれはコロナ禍で加速したとも言われている。

今回、お話を伺った早川伊智子さん(仮名・65歳・パートタイム勤務)は、シングルマザーとして一人の息子を育て、そして今、“いい老後”を送っているという。いい老後というのは、お金と健康の心配がなく、孤独を感じずに過ごせているということだ。彼女に、Suits womanの読者が、老後のためにすべきことを伺った。

これまでの経緯は前編で

女性は75歳まで働ける

伊智子さんは、26歳で結婚、28歳で長男出産、34歳で離婚し生活保護を3か月受けて非正規で自動車整備会社に事務職として勤務。非正規のまま54歳まで勤めた。

「最後はクビになったんです。会社の体制が変わって、非正規の整理の対象になってしまいました。それは悲しかったし、怒りもあったけれど、そこにとらわれていたら、どこにも行けません。リーマンショックの影響もあったし、年齢も高齢だったけれど、ハローワークに行けば何らかの仕事は見つかります。非正規でしたが、お弁当の会社に雇ってもらって、配送の仕事を9年間続けました」

離婚時、伊智子さんは車の免許を持っていなかった。自動車整備会社の事務員時代に、敷地内で“車を移動しておいてください”と言われることが増えて、一念発起して免許を取得。費用は40万円かかったが、会社が補助金として15万円を出してくれた。そして給料も少し上がったという。

「免許を取っても、車を買う余裕もないし、怖いので、工場内での車の移動しか運転をしていなかったんです。でもこれがよかった。ライトバンで納品するのですが、先方の納品口にピタッとクルマを合わせることができます。なんでも特技になるんですね」

仕事は早朝4時から。弁当を積み込み、都内の工場から、スーパー、会社など1日10か所以上回る。コロナ前は目が回るような忙しさで、20か所以上は配送したというが、コロナ禍で社食の需要がぱったりなくなり、伊智子さんは64歳で解雇される。

「社長が苦しいのもよくわかっていました。“コロナ禍が終わったらまた働いてください”と言われたけれど、いつになるかはわかりません。息子が大学を出てからは、お金も自分が自由に使えるようになり、友達と海外旅行にも行けるようになりました。息子の手が離れてからは月3~5万円を貯めていたから、食べるに困ることもありません。失業保険ももらおうと思えばもらえますけど、働くことは習慣だから、続けていきたいです」

64歳は十分働ける年齢。国連世界保健機関(WHO)が提唱した新しい寿命の指標・健康寿命は、男性では72.14歳、女性では74.79歳。

「女性は75歳まで働けるんじゃないかなと思っています。そう考えると、老後の不安って少なくなると思うんです。それに、今年から毎月10万円程度の年金を受けられることになり、フルタイムで働かなくてもよくなりました。ハローワークに相談に行くと、学童を運営する会社を紹介されました。そこでパートで働き、10万円の収入を得ています」

この会社の社長は「うちに定年はありません」と言うという。

「子供が少なくなって、1人当たりの教育費が莫大なことになっていますよね。うちの学童は希望すれば夕飯もつき、習い事の送迎もするので、毎月5万円くらいかかりますから、親は大変だと思います」

老後に必要なのはお金と健康と運転免許。不要なものは?

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