ライフスタイル 名門大学卒、転職を繰り返す30歳女性が9社目を退職した理由は「よそ者感」【後編】

簡単な雑用だけをこなすことに

上司に案件の進捗状況を確認されるうちに、意識が遠のいてしまったという巴瑞季さんのことを、社員は誰もかばってくれなかった。

「いじめみたいなものですよ。逃げ道を残さずに追い込んでいく。抱えていた案件もすべて奪われてしまったし。会社にいてもすることがなくて、好きなことを検索したり、自分のSNSを見ていると、その画面を誰かが見ていたり。私以外は忙しそうに働いているので、会社近くのスタバに行ったりしていました。そのうちに体調不良が激しくなって、出社できなくなって、辞めることになりました」

退社の日、「新型コロナが怖いから送別会はいいですよね」と言われた。巴瑞季さんをスカウトした社長も姿を見せなかった。

「なんか、いつものパターンというか…給料は悪くなかったので貯金はできたのですが、さすがにメンタルをやられましたね」

今後はどうするのだろうか。

「また夜の仕事をちょっとしながら考えて行こうと思います。やりたい仕事も特に見つからないし、自分の理想とかそういうものもあんまりないんですよね。今後、何をどうすればいいのか、全く考えていないというのはホンネ。いい結婚相手がいればいいんですけど、専業主婦にさせてくれるような人はいないし、そもそも私は恋愛が嫌いなんですよ」

容姿に優れていて高学歴な巴瑞季さんは、スペックだけ見れば、世の中の勝ち組に見える。

「私はやればできる子なんです。だってあの大学に入れたんだから。燃え尽きたとはいえ、もう一度頑張れるとも思うんです。やる気スイッチを押してくれる会社があるといいんですけれどね」

仕事とは筋トレや楽器の練習と同じで、休むとリカバリーが大変だと語る人は多い。1日1つでも何かを達成し積み上げていくという訓練ができるか、できないかにすべてはかかっているのではないだろうか。

会社や上司から連絡があると、気持ちがふさぎ込んで返事ができなかったことがあったという。
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