ライフスタイル お酒好きをも満足させるノンアルドリンク「オルタナティブアルコール」って?

数年前から欧米を中心に「ソバーキュリアス」や「マインドフルネス ドリンキング」といった“敢えてアルコールを飲まない”という新しい価値観が登場し、ノンアルコールドリンクが世界的なムーブメントになりつつあります。

健康志向の高まりや、長く続いた緊急事態宣言による規制により、日本でもさまざまなノンアルコールドリンクが登場していますが、中でも注目されているのが「オルタナティブアルコール」です。

その名の通り、アルコールに代わるドリンクとして、お酒が苦手、お酒好きを問わず、味にこだわる人に選ばれています。8月に開催された「お酒好きのためのノンアル講座」では、「オルタナティブアルコール」を専門に取り扱う日本初の輸入商社、アルト・アルコ(https://www.alt-alc.com/)の代表取締役・安藤裕さんを講師に、ノンアルコールドリンク市場のトレンドや、「オルタナティブアルコール」の魅力が紹介されました。

シェフの手作りグルメお取り寄せサービスを展開する「3rd Menu」(https://3rd-menu.eat-university.com/)と、アルト・アルコと共同で開催された無料オンラインイベント。

オルタナティブアルコールって?

スーパーマーケットやコンビニに並ぶ、脱アルコール製法で作られたノンアルコールビールやカクテルなどとは異なり、果汁やビネガーをベースに、ハーブ、スパイスといったボタニカル(自然由来)な材料を組み合わることで、味や香りを作り出すドリンクが「オルタナティブアルコール」です。アルコールが無い分軽くなりがちな味わいに、深みとパンチをプラスし、食事とのペアリングにも適しているのが特徴です。

果汁やビネガー、ハーブ、スパイスなどを使った大人の嗜好品。

ノンアルコール文化の最先端といえるのがイギリスですが、「オルタナティブアルコール」も、イギリスでスピリッツに替わるものとしてスタートし、今は新しいムーブメントとして世界中の企業が参入しています。

ワインのような味に近づけた「オルタナティブワイン」、ジンのような味に近づけた「オルタナティブジン」など、作り方も味わいもさまざまで、生産者のコンセプトや世界観が表現しやすいのが「オルタナティブアルコール」の特徴です。

初めての人におすすめの「オルタナティブアルコール」2選

日本で入手できる「オルタナティブアルコール」から、初心者におすすめの「/shrb(シュラブ)」と「NON(ノン)」の2ブランドを紹介しましょう。

「/shrb」

/shrb」は2017年にロンドンで誕生したブランドで、生産者のムスタファ・マフムードさんは元銀行員。仕事柄さまざまなレストランで食事をする機会が多かったそうですが、ムスリムであるマフムードさんはお酒を飲まないため、食事に合うノンアルコールドリンクが無いと感じていたことから、自分で作ることを決意。キャリアを投げうって、自宅のキッチンでゼロから作り始めました。

英国紙「インデペンデント」のノンアルコール部門にてトップ10に選出、多数のメディアでも紹介され、ノンアルコール本場のロンドンでも大きく注目を集めているブランドです。

日本には2019年に初上陸した「/shrb」

「シュラブ」とは果実酢をベースにフルーツやスパイス、ハーブを浸漬させて作る飲料の総称で、その起源は、ローマ帝国時代に衛生、薬用目的で飲まれていたビネガーをベースとした「POSCA」ともいわれています。

「/shrb」はアップルビネガーにフェンネルやアニスなど、ボタニカル由来のアロマを漬けこんで熟成させ、搾りたてのオレンジやレモンといった果汁を加えることで、ストレートでも楽しめる味わいに仕上げています。シンプルなレシピのように見えますが、酸の感じ方といった繊細な部分まで考え抜かれた、大人好みの複雑な味わいが魅力です。

現在展開しているのは「オリジナル・ボタニカル」「ライム&ジュニパー」「オレンジ&ジンジャー」「アップル&シナモン」の4フレーバー。

「アップル&シナモン」を試飲してみました。開けたとたんにシナモンの香りが立ち、アップルビネガーの酸味のあと、シナモンやナツメグのスパイシーさを感じ、リンゴの香りやラベンダーの香りも。そのまま飲んでも美味ですが、甘さを抑えているので、ジュースやノンアルビールと割ってもおいしくいただけます。安藤さんのおすすめはカルピス割り。スパイシーなカルピス、ぜひ試してみたいですね。

ペアリングとしては、豚肉を使った料理の相性が抜群とのこと。ホタテ、甲殻類、クリームソースを使ったメニューもおすすめだそうです。

アップルビネガーの酸味が効いているので、油をたっぷり使った中華料理にも合いそうです!

講座では、「Low-Non-Bar」のバーテンダー・反町圭佑さんによる、「/shrb アップル&シナモン」を使ったモヒートが紹介されました。

スーパーなどで売られているミントの半分~1/3をグラスに入れて、6分の1にカットしたライムをグラスの中に搾ります。搾ったあとのライムを細かく切ってグラスに入れると、よりモヒートの香りを感じられるとのこと。大さじ1の砂糖を入れ(ガムシロップポーション1~2個でも可)、「/shrb アップル&シナモン」を160ml注ぎます。

すべてを入れたら棒状のペストルで優しくミントを押しつぶします。強くつぶしたり、こねてしまうとミントのえぐみが出てしまうので、優しく押すのがポイント。ペストルがなければすりこぎ棒か、グラスに入れる前に手でパンと叩いてミントをつぶすと香りが出ます。最後にクラッシュアイスを入れてミントを飾り付けて完成。

ストローを斜切りにカットすると、モヒートらしい味わいやシャキシャキとした氷の感触が楽しめるそうです。

「NON」

NON」はオーストラリア・メルボルンのオルタナティブワイン。世界一のレストランと名高いコペンハーゲンに本店を置く「noma」の元シェフ・ウィリアム・ウェイドさんと、マーケッターのアーロン・トロットマンさんが2019年に立ち上げたブランドです。

ワインで使われるセミヨンの白ブドウ果汁をベースにハーブやスパイスを加えることで、ワインのような味わい、香りを出し、食事によく合うドリンクに仕上げています。

和洋中のどんな料理にも合わせやすいのが特徴です。

現在展開されているテイストは「ソルティッド・ラズベリー&カモミール」「キャラメライズド・ペアー&コンブ」「トースティッド・シナモン&ユズ」など5種類。フルーティーで柔らかな甘さのあるもの、清涼感のあるもの、コクがたっぷり感じられるものなど、それぞれの味わいにぴったりな料理とのペアリングを楽しめます。

5種類それぞれにキャラが立っていて、ペアリングを探すのも楽しそう!

文/阿部純子