ライフスタイル 非正規の客室乗務員、解雇のどん底からマンション清掃で生きがいを見つけるまで【後編】

今回お話を伺う美優さん(仮名・38歳)は、非正規として客室乗務員で働いており、コロナ禍に自殺寸前まで追い込まれてしまったという。

「独身でアラフォー、非正規の客室乗務員という、全くツブシの効かない職業スキル。貯金が底をついた2020年年末に、気づけばカーテンレールにひもをかけていました」と当時を振り返る。

【これまでの経緯は前編で】

元カレは離婚したばかり、手軽に“ワンチャン”するために連絡をしてきた

元カレのLINEが奇跡的だったが、まさに命の恩人…というわけではなかった。

「元カレに電話をすると、開口一番“今、家に行っていい?”って。結婚しているはずなのに、なぜ10年ぶりに私に連絡をしてきたのかと聞くと、“ヤりたいから”って(笑)。離婚したばかりで元カノに片っ端からLINEして、反応あった人からヤっていると聞き、なぜかバカバカしくなって、思いのたけをぶちまけてしあまいました」

すると、元カレは「バカじゃね? 仕事なんてなんでもいいじゃん。俺なんのプライドもないよ」と言いきった。

「人に話すって大切なんだと思いました。それで気持ちを切り替えて、厳しいことを書いていない求人を見て、応募しました。電話して、“すぐに来てください”と言ってくれたのが、今仕事をしている清掃の会社です。とにかく人手不足で大変だと言うのですぐ行くと、その場で簡単な面接を受け、研修を受けて翌日から現場へ出ることになったのです。あの時、落とされていたらまた落ち込んでいたと思う」

その仕事は都心のマンションに朝7時に行き、住民用のゴミ置き場からゴミを収集所に出す仕事だった。

「24時間ゴミを出せる高級マンションで、住民は70世帯。あふれんばかりにゴミが出されていて、それをひたすら集積所まで持って行きます。10メートル程度の通路の往復なのですが、ゴミ袋の量がすごかった。ステイホームで家にいるからなんでしょうね。ゴミの山と日々格闘していたら、気づけば客室乗務員というプライドがなくなっていました。ステイホームで体力が落ちている中の肉体労働は過酷でしたが、これを運ばなくては、住民の人が大変な思いをすると思って、頑張りました」

全身筋肉痛でズタボロになったけれど、翌日も別の現場がある。

「私にはできません、と言おうと思いましたが、私が抜ければ誰かが大変な思いをするので行きました。それに、採用の時に恥を忍んで“お金がないんです”と言ったら、あっさりと“週払いにするよ”と言ってくれたのです。お金のためには辞めるわけにはいかないですから。それで頑張って土日も働いて、できるだけ仕事を入れてもらったら、7万円が振り込まれたんです」

客室乗務員時代よりも、収入が増えた

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