ライフスタイル SDGsを意識しすぎて…婚約破棄と退職を選んだ34歳女性【前編】

2021年10月31日に英国で気候変動対策の国際会議「COP26」も開催され、ますます注目される「SDGs」。SDGsとは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。そこには環境問題も含めた17のゴール・169のターゲットで構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。SDGsは普遍的なものであり、日本政府も積極的に取り組んでいる。

そんななか、香子さん(34歳・求職中)は、SDGsを意識しすぎて婚約破棄になり、会社も辞めてしまったという。

社内で勉強会を立ち上げても、参加者は2人

香子さんは、大学卒業後、12年間勤務していた貿易関連会社を1か月前に辞めた。

「もともと、環境問題や女性の地位向上、大量消費社会への疑問点について意識はしていたのです。タイのエイズ孤児の募金活動をしたり、子供の労働問題についても意識はしていました。でも、今みたいにSDGs…特に環境問題を意識して実践するようになったのは、2019年にスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの、国連の地球温暖化サミットでのスピーチを聞いたから。“16歳(当時)の女性がこんなに声を上げているんだから、私ものんきにしていられない”と思ったからです」

その後、海洋プラスチックで、生態系が破壊されているショッキングな写真を見て、脱プラスチックをしつつ、皆の意識も変えて行こうと決意した。

「一度決意するととことんまで突き詰めたくなる性格なので、ひとまず1か月、プラスチックを使った製品を買わない生活をしてみようと思ったのですが、1週間で挫折しました。それはあらゆる食品がプラスチック包装されているから。お米、野菜、肉、お菓子…プラスチックを使っていない製品は本当に少なくて、“これはホントに危機的状況なんだな”と意識しました。その後、コロナ禍になり、プラスチックを使用した食品容器が急増しました。うちはリモートワークにならなかったので、社内で勉強会を立ち上げました。プラスチックがもたらす悲惨な未来を知らない人に教えてあげたいし、私が教えることで、その人の未来も人生も明るくなるはずと」

揺るぎない自信と決意とともに勉強会を立ち上げたら、社員500人規模の会社なのに参加者はたったの2人だった。

「勉強会を立ち上げたときは上司も“いいね”と言ってくれました。しかし、蓋を開けてみたら参加者2名は総務部の人で、彼らは担当役員から“うちの会社もSDGsを意識して行動しないといけないからな”と圧力をかけられていたんですよね。あれは、2020年5月、レジ袋が7月から有料化されたころのことで、一般的な意識は高まっていたのにがっかりしました」

2回目からは参加者がいないことで、さらに危機感が生まれる

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