ライフスタイル 気付けば低下していた体力とコミュ力…出社して気づいた自粛の大きな弊害【後編】

コロナ禍では、リモートワークを続けた人もいれば、出勤し続けた人もいる。会社の方針で「出社はダメ」とされたところもあれば、個人の判断に任せられたというケースもある。今回、お話を伺った真理さん(32歳・IT関連会社勤務)は、2020年4月から2021年5月まで、1年以上のリモートを続けて復帰する。復帰後から12月までの約半年間で変わったことについて話してもらった。

【これまでの経緯は前編で】

独り言が多く、足音がうるさい

復帰して辛かったのは、通勤。最寄り駅まで7分歩いて、3階分はあるだろう駅の階段が、なかなか登れなくなっていた。

「駅まで歩いただけでもうヘトヘト。コロナ禍以前は7分で歩いていたところが、10分以上かかりました。とてもじゃないけど階段は上がれず、エレベーターに並び、改札階まで上がりました。改札からホームまで階段で降りるのですが、これがしんどくて…。何回も転びそうになりました」

それまで会社まではドアtoドアで60分程度だったが、90分近くかかったという。

「通勤は1か月程度で慣れてきましたが、今でも肩掛けバッグやパンプスはもう無理です。あと会社でも“常に誰かが近くにいる”という感覚がなじめなくて。誰も私のことを見ていないのに、見られているような気がしてしまうんです。トイレに行くのも、おやつを食べるのも、なんとなく緊張していました」

通勤開始から1週間もしないうちに、真理さんと周囲との間に「見えない壁」ができていることを感じた。

「私のことをなんとなく避けているようなんです。存在が珍しいからだと思ってスルーしていたんですけれど、あるとき、同期に呼ばれ、“あなたの生活音がうるさくて、みんなガチで迷惑している”と教えてくれたのです」

ずっと自宅だったので、キーボードのキータッチ音を高らかに慣らし、イスを立ち上がるのも引き出しを締めるのも、従来のがさつさも手伝って、バンバン音を立てていた。

「あとはひとりごと。リモートをしていると、ひとりごとが不思議と多くなっているんですよね。“ああ、もう!”とか“よっしゃ”とかそういうこと言っていたんですが、それを会社でも無意識にやってしまっていたんです」

深刻だったのは、会話力と交際力の低下。

「相手の話がかったるくて聞けないんです。ずっと海外ドラマのスタイリッシュな会話しか“見て”なかったので、整理していない会話を全く受け付けない。そして、同僚のツッコミどころが多い話も、以前なら“ふ~んそうなんだ”と流していたのに、今はいちいち引っかかって質問してしまって」

それが、「真理さんはなんだか感じ悪い」という印象を形成し、避けられるようになってしまった。

コロナ禍を都合よく利用した罰が当たったのか

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