ライフスタイル 親の遺品整理とリモート介護で痛感した「大物家具の処分は70代で!」そのほかすべきことは?【前編】

1人暮らしの65歳以上の人は、1980年からの35年間で男性は3倍、女性は2倍に増えたという(※)。元気なうちは一人でもいいが、老いて体に問題を抱えるとそうはいかない。

35歳くらいから、そんな親問題に悩む人は増えていく。自分は仕事や人間関係もあって、都市近郊から離れられない。その解決策として選ばれるのは、都市部での親との同居。しかしこれができるのは少数派で、親との関係性や、親が地元を離れたがらないなどの事情から「リモート介護」をする人も増えている。

※内閣府『高齢社会白書』「65歳以上の一人暮らしの者の増加」(2018年)参照。1980年…男性4.3%、女性11.2%。2015年…男性13.3%、女性21.1%。

良好な家族関係と、73歳父の突然死

今回、お話を伺ったのは沙織さん(仮名・35歳)。都心のIT関連会社に業務委託として仕事をしている。実家は茨城県の海沿いの街にあり、都心からバスで2時間以上。JRを使うと片道3時間以上、片道3000円程度の交通費がかかってしまう。

「通勤は現実的ではないんです。私の両親は当時としてはかなりの高齢出産で私を産みました。厳しくて、ちょっと変わった人達でした。私もそれなりに反抗期があったので、東京の大学に出してもらってからは、親を意識することなく生活していました」

それは両親の仲が良かったから。

「結婚してから15年間、子供が授からなかったこともあるのでしょうか、2人の世界があるんですよね。ラブラブと言うわけではないのですが、穏やかに一緒にいる。ネコを3匹飼っていて、まさに“ねこっ可愛がり”をしていました。父は大手自動車メーカーで部品を作る工場に、母は大手食品メーカーの工場に勤務しており、田舎にしてはお金があったと思います」

定年退職後は、地域で子供に昔の遊びを教えるコミュニティや、観光アドバイザーなど積極的に動いていた。

「そんなタイプだとは思っていなかったので、とても意外でした。親が定年退職するまでは、年に1~2回程度でよかったのですが、父が70歳の時に持病(心臓疾患)で倒れてからは、毎月のように実家に帰っていました。この交通費が家計にのしかかってきましたね」

父は73歳の時に天国に旅立って行った。

「お風呂場で倒れて、あれよあれよという間に母の膝枕の上で意識が遠のいていったそうです。救急車が来たときは、心臓が通常の人の倍の速さで動いていたそうですが、さまざまな処置を経てもダメだったそうです」

父が亡くなって、母は「張り合い」をなくした

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