ライフスタイル 歌舞伎、雅楽、能楽…違いわかる?日本の伝統芸能が一気に学べる展覧会がメチャ面白い!

海外に行ったり、海外から来た人と話したりすると、日本の伝統芸能について何も知らないな、と痛感することはありませんか?

日ごろから鑑賞するのが大好き!という方はさておき、学びたくとも、種類も多くてなかなか学ぶきっかけがない日本の伝統芸能。

そんな方にぜひ、おすすめしたいのが、東京国立博物館 表慶館にて2022年3月13日(日)まで開催中の、ユネスコ無形文化遺産 特別展「体感!日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」(以下、「体感!日本の伝統芸能」)です。

東京国立博物館 表慶館

日本の伝統芸能5つを一度に横に並べてみることで、それぞれの歴史や美しさなどの違いがクッキリと浮彫になり、なんとなく「雰囲気」で理解していたことが、明確になること請け合いです。

「体感!日本の伝統芸能」展ではこんなものが見られます!

日本最古の伝統芸能は、飛鳥時代に大陸から伝わり、平安時代に成立した雅楽。そして室町時代には能楽、江戸時代初期に人形浄瑠璃(文楽)、歌舞伎、組踊が発展。

以前からあった芸能のいいとこどりをしながら、それぞれが発展を遂げ、今なお進化し続けています。

この展覧会では、歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の5つの章に分かれ、各芸能のなりたち、舞台セット再現、衣裳、小道具など、多くは実物の展示で見ることが可能。

説明がとてもわかりやすく簡潔にまとめられているので、モノを見るだけなく、説明も合わせて読むと「おお!なるほど!」の連発になるはず。

それぞれの舞台のサイズ感の違いや方向性の違い、衣装の刺繍の模様の意味など、写真ではなく実物を見ることで、一気に理解が深まり、まさに“体感”できるのです。

第一章「歌舞伎」…女性芸能者発!男性芸能へ

『金門五山桐』「南禅寺山門の場」の再現舞台

歌舞伎の発祥は、お国と名乗る女性芸能者が、常軌を逸した振る舞いやファッションをする「かぶき者」の姿を舞台で演じたのが始まり。その後、女性の芸能から男性の芸能に変化していきます。

歌舞伎と言えば「隈取」ですが、こんなに種類があるとは!
この衣裳の刺繍の見事さも見惚れてしまいます

第二章「文楽」…「義経千本桜」の再現舞台も見られる!

『義経千本桜』「河連法眼館の段」再現舞台

江戸時代初期に生まれた人形劇、人形浄瑠璃文楽。中世に三味線が日本に渡来すると、人形浄瑠璃にも取り入れられ、新しい形態の芸能になりました。

『千本桜』というと、初音ミクの大ヒット曲で小林幸子さんや直近ではadoさんもカバーした『千本桜 』が有名ですが、それ以前の『千本桜』といえばこちら。『義経千本桜』は、歌舞伎や人形浄瑠璃を代表する演目で、再現舞台を見ることができます。

人形をつくるプロセスも見られます。

第三章「能楽」…「能」+「狂言」=「能楽」ってご存じ?

能はセットはシンプルな分、小道具や衣裳が際立ちます。

能と狂言を合わせて、能楽と呼び、それ以前は「猿楽」と呼ばれていたんだそう。

鎌倉時代は神社の祭祀(さいし・神や祖先をまつること)の余興だった「能」を、芸術として大成させたのが、観阿弥・世阿弥父子です。

同じ猿楽から発展し、仮面を使った厳粛で優美な「能」と、笑いの要素を強めた会話劇である「狂言」は、兄弟のような「緊張と緩和」の補完的関係にあるのです。

『岩船』再現舞台
それぞれの楽器の特徴も知ると楽しい!

第四章「組踊」…琉球王朝と中国の関係から始まった音楽劇

背景の幕も独特のデザインや配色が光ります。

琉球王朝は薩摩藩を通して本土の幕藩体制に組み込まれながらも、中国とも関係を結んでいました。

琉球王朝が代替わりするとき、中国から認可する詔勅を届ける「冊封使」が来るので、それをもてなすために考案されたのが「組踊」です。

「踊り」という名称ながら、実際は琉歌や琉踊を織り込んだドラマが進行する音楽劇です。

『銘苅子』「天女」の再現舞台

第五章「雅楽」…日本最古の伝統芸能といえばこちら

『還城楽』の舞台を再現

5世紀から9世紀にかけて、中国や朝鮮から伝来した、アジア大陸各地の楽舞を、日本で整理・集成した古代の宮廷芸能。演奏のみの「管絃」と舞を伴う「舞楽」の、ふたつの上演形態があります。

宮内庁式部職楽部で実際に使用されている装束類も見ることができます。

中国の楽舞(唐楽)を担当する左方と、朝鮮及びそのほかの地域の楽舞(高麗楽)を担当する右方で編成。装束についても、左方は赤系統に金色の金具、右方は緑系統に銀色の金具、と分けられています。

☆☆☆

改めて学びなおすきっかけがなかなかない日本の伝統芸能。それぞれの展示や上演はあっても、一堂に会して見ることができる機会は、滅多にありません。

この展覧会は「日本博」「日本美を守り伝える『紡ぐプロジェクト』」の一環として開催され、2020年3月に予定していたものがようやく実現したのだそう。

日本の伝統芸能に門外漢な筆者が見ても、とても面白く鑑賞することができたので、少しでも興味がある方は、だまされたと思って足を運んでみてほしいです!

ユネスコ無形文化遺産 特別展「体感!日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/dentou2022/
会期:2022年1月7日(金)~3月13日(日)※会期中、一部展示替えあり
会場:東京国立博物館 表慶館
観覧料:一般1500円、大学生1000円、高校生600円 ※すべて税込
事前予約:ローソンチケット https://l-tike.com/event/mevent/?mid=619923
※当日券の購入も可能だが事前予約を推奨。当日券の販売が終了している場合があります。入場日によって予約開始日が異なります。
チケットの詳細は公式サイトを参照。
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/dentou2022/tickets.htm/

取材・文/nenko