ライフスタイル ハケンと正社員の恋はうまくいくのか…横たわる格差とコンプレックスを超える方法【前編】

結婚するなら高収入な相手がいいと思っている人は多い。2021年に「マリアージュ総研 by結婚相談所比較ネット」が男女210名にアンケートをしたところ、男女ともに結婚の際に経済力を重視する傾向があると発表。また女性が“妥協”する年収のボーダーラインで多かったのは、400~650万円だという。

今回、お話を伺った沙織さん(仮名・30歳)もそう思っている一人。

正社員側からは感じない「格差」はあると思う

沙織さんは先日、派遣社員として派遣された会社の「社員さん」と結婚した。

「超大手企業で、表にこそ出さないけれど、正社員との結婚狙いで“あわよくば”と思っている人はいると思います。そんなことを表に出したら、本気で切られてしまうので(笑)、だれも言いませんけれどね。私が結婚した男性は10歳年上のバツイチです」

沙織さんのキャリアは、大学卒業後に1年間アメリカに留学し、帰国して派遣社員になった。

「日本の“社員は家族” みたいな文化が苦手だったのと、ある程度海外に行く自由が欲しかったので、正社員にはなりませんでした。でもやってみて驚いたのは、同じ仕事をしていても給料は半分程、社会的地位は1/10以下ではないかという格差でした。家は契約できないし、親戚からは“留学までしたのに、ハケンになるなんて…”と嘆かれたり、散々な目に遭いました。

でもこの差別みたいなものって、正社員側からはわからないと思うんです。これはコロナ前の話ですが、ある大きなプロジェクトをチームで行った時に、私たち派遣社員もめちゃくちゃ働いたのに、打ち上げには呼ばれませんでしたし…。あの時は悲しかったですね」

会社側からすると「時給で働いているハケンさんに、宴席に呼んでしまっては申し訳ない」という配慮もあったのではないか。

「それは絶対にありますね。配慮されることがむしろ悲しかったです。昔、それでも宴会に誘ってもらったことがあったのですが、社員さんの飲み代は会社から出ますが、私たちは自腹でした。それを私たちに請求した人は、会社を辞めてどこかに行ってしまいましたが、自腹分を“私が出す”と奢ってくれた人は、若くして役員になっていましたね」

沙織さんは大卒で英語が堪能、正社員になろうと思ったらなれるのではないか。

「なりたくなかったんですよね。若手はこき使われるという時代でしたし、“こんなことも知らないの?”とか“ここまで教えたのにまだできないの?”とため息をつかれる人を散々見てきましたから。ハケンの仕事って、単調な作業が多いので、それさえこなしていれば、好きなことに時間が使えるので」

立場が弱いからセクハラをされることも

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