北海道の地チーズが集結する PRイベント「北海道地チーズ博 2022」が渋谷ヒカリエで開催されました。乳業者イチ押しの地チーズから好みの5種を選べる食べ比べプレート「セレクト5」をはじめ、人気店との特別コラボレーションメニューの販売や直売コーナー、乳業者やチーズスペシャリストによるステージイベントなど、さまざまなコンテンツで北海道地チーズの魅力をアピールしました。
オープニングセレモニーでは、ホクレンアンバサダーを務める、演劇ユニット「TEAM NACS」のリーダーで俳優の森崎博之さんと、チーズプロフェッショナル・石川尚美さんによるトークセッションが行われ、北海道地チーズ工房の取り組みや地チーズの魅力が紹介されました。
イベント会場限定として、焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」とコラボレーションした「焼きたて北海道チーズタルト」(320円)を発売。通常の「焼きたてチーズタルト」とは異なり、トワ・ヴェールの「クリームチーズ」としあわせチーズ工房「幸 sachi」の北海道地チーズ2種類を使って開発。会場でしか購入できない限定品ということもあり、人気を博しました。
おうちでも楽しめる!「北海道地チーズ博 2022 限定アソートセット」
2021年は新型コロナの影響でリアルイベントはなく、今年の「北海道地チーズ博」は2年ぶりのリアルイベントとなりましたが、オミクロン株の影響で、行きたいけれど自粛したというチーズ愛好家も多かったかもしれません。
おうち時間でも北海道地チーズを楽しんでもらうため、チーズプロフェッショナル・石川さん監修の「北海道地チーズ博 2022 限定アソートセット」を期間、数量限定でオンライン 販売しています。
コーヒー、ティー、赤ワイン、白ワイン、ビールの5つのペアリングドリンクに合わせた組み合わせ。朝食におすすめのコーヒーの苦味とクリーミーなチーズのペアリング、午後のティータイムに香り豊かなティーとほんのり口の中に甘みが広がるチーズのペアリング、仕事終わりに楽しみたい濃厚なチーズとビールの風味のペアリング、さっぱりと白ワインに香りと舌触りの良いチーズを合わせたペアリング、くつろぎの時間に赤ワインとチーズの王道ペアリング、というようなシーンごとにチーズを楽しめるセレクトになっています。
チーズは赤ワインと合わせるのが好きなのでAとBどちらにするか迷ったのですが、今回を含め過去に参加した「北海道地チーズ博」にて、セレクト5や直販でも試したことがないブランドが揃っている「&赤ワインBセット」(5800円)を注文することにしました。
のぼりべつ酪農館「ルーナ」、長坂牧場 チーズ工房「みのり」、横市フロマージュ舎「横市チーズ」、十勝野フロマージュ「ブルー・ド・フロマージュ」、牧家「牧家ザ・ナチュラルチーズ プロボローネ」の組み合わせです。好みのフルボディのワインとペアリングしてみました。
のぼりべつ酪農館「ルーナ」(ソフトタイプ)
ソフトタイプは白い酵母に覆われた自然の表皮のチーズで、水分が多く柔らかさがあり、優しい味が特徴です。
「ルーナ」はやわらかくなめらかな味わいが特徴のウォッシュチーズ。ウォッシュチーズとは、外皮を塩水や酒で洗いながら熟成したもので、味はまろやかですが匂いが強いものもあり好みが分かれます。「ルーナ」は芳醇な香りがあり、ウォッシュチーズを知らない人にもおすすめできるチーズです。
食べる10分~15分前に常温に戻すとやわらかい食感になるとのことだったので、常温で食べるととろりとした食感になり、生乳のミルク感とコクを感じました。匂いも強くなくウォッシュが苦手な人でも抵抗なく食べられるかもしれません。赤ワインはフルボディだけでなくミディアムやライトでも、白ワインとも相性が良さそう。
長坂牧場 チーズ工房「みのり」(ハードタイプ)
ハードタイプは加熱して圧力をかけ水分を抜き、半年程度から長いものだと数年かけて熟成させたチーズ。削って料理に合わせると芳醇な香りや旨味が楽しめます。
「みのり」は6ヶ月熟成の深い味わいの長期熟成チーズ。ナッツのような芳醇な香りがして、塩味、コクがほどよく、しっかりとミルクの旨味を感じられます。フルボディと組み合わせると、タンニンの苦味と、チーズの塩味、旨味が絶妙に混じった後味を感じて面白かったです。
横市フロマージュ舎「横市チーズ」(白カビタイプ)
白カビタイプは表面に白カビを植え付け、中心に向かって熟成させるチーズで、とろりとした濃厚な味わいが特徴です。
「横市チーズ」はカマンベール。食べる時期によってさまざまな味わいの変化が楽しめるとのことで、届いたばかりの熟成が進んでいない時期はフレッシュな風味に、熟成が進むとコクと濃厚なミルクの風味に変化するそうです。
届いた日に食べたのですが、そのままだとフレッシュな味わいだったため、オーブントースターで焼くと食感が変化しコクとミルク感が強く出ました。ワインのタンニンともよく合います。個人的に全粒粉クラッカーと焼いたカマンベールが黄金の組み合わせですが、トーストに合わせてもおいしいと思いました。残りは野菜室で保管して、熟成を楽しみに待つことにします。
十勝野フロマージュ「ブルー・ド・フロマージュ」(青カビタイプ)
青カビタイプはチーズの中に青カビを入れて内側から熟成させ、刺激的な香りと強い味わいが特徴です。
「ブルー・ド・フロマージュ」は、中札内村の新鮮な生乳を使用。ほのかな酸味、ミネラル香、適度な辛みと強めの塩気、少し柔らかめの食感を持ったお酒に合うチーズです。
ブルーチーズは一番好み。チーズにもワインのテロワールのような要素があって、その土地で育つ乳牛やカビによって、匂いがきつかったり、舌がしびれるほど辛味の強いものがあったりするので面白いなと思っています。
「ブルー・ド・フロマージュ」はブルー独特の風味を感じつつも、十勝のやさしい味わいの生乳を使っているためか海外のものよりクセが弱くさっぱりとした味わいでした。ブルーチーズは本当にワインが進みます。
牧家「牧家ザ・ナチュラルチーズ プロボローネ」(パスタフィラータタイプ)
イタリア語でパスタは「生地」、フィラータは「糸状に裂ける」の意味。チーズの基となるカードを繊維状の組織にするイタリア南部の代表的な製法です。
「牧家ザ・ナチュラルチーズ プロボローネ」は、セミハードタイプでありがなら、やわらかくなめらかな口あたりでもちっとした弾力も食感の魅力。味わいはさっぱりとしてほどよい塩加減です。
そのままスライスして食べてもおいしいですが、私にはさっぱりし過ぎて物足りなさがあったので、ソテーしてみました。火を入れるとミルク感やコクが出て香ばしさも加わり、もちもち食感と相まって、おつまみにぴったり。ワインだけではなくビールにも合いそうです。
ほくれんオンラインショップ「北海道地チーズ博 2022 限定アソートセット」:
https://www.hokuren-greenplus.jp/html/page65.html
文/阿部純子