ライフスタイル 【野々市市&白山市編】落ち着いたら…豪華観光タクシーで周る「加賀の國RICH体験ツアー」はいかが?

ニューノーマル時代の旅行スタイルとして注目されているのが、有名観光地のような混雑する場所を避けた穴場スポットをめぐる旅。公共交通機関が整備されていない場所もあるため、効率よく周れる観光タクシーの活用がおすすめです。

石川県の観光タクシー「加賀の國 観光グランキャブ」を利用した2泊3日の旅「加賀の國RICH体験ツアー」に参加しました。今シーズンの北陸地方は雪が多く、電車やバス、徒歩で周るには厳しいですが、グランキャブは目的地まで快適に移動できるので、冬の北陸を堪能することができます。

グランキャブは全12コースで、料金は2時間コース1万4000円~。時間貸し切り(4650円/30分)や通常の賃走(料金区分:特大)にも対応してくれます。

小松空港、JR小松駅、JR加賀温泉駅、JR松任駅、加賀温泉郷(粟津・片山津・山代・山中温泉)、辰口温泉からの発着が可能です。
最大7人乗り、革張りシートの大空間エグゼクティブサルーンを使った車両は、冷蔵庫、DVD・テレビ、フリーWi-Fiが装備されています。

加賀の國 観光グランキャブ」(第一交通タクシー) 

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おしゃれスポットが点在する金沢のベッドタウン野々市市

JR北陸本線の金沢駅から野々市駅まで所要時間は6分。金沢市に隣接した野々市(ののいち)市は金沢のベッドタウンとして発展し、北陸甲信越エリアの「住みやすい街」として常にランクインしています。家族世帯だけでなく単身者にも人気の街で、地元のみなさんが通うおしゃれなカフェやお店が点在しています。

ビストロ ・ウールー 

石川県は山も海も近く食材が豊富。「ビストロ ・ウールー」は地元の食材を使うことで、地域のおいしさを改めて知ってもらいたいと2002年に開業したビストロです。

ランチ、ディナーで営業。ランチタイムに伺いましたが、地元の人たちが多く訪れていました。

「石川県は昔から地域独特の食文化があり、ビストロは受け入れにくい土地柄で理解されないこともありましたが、20年間続けてきて、地元の方々にも親しまれる店になりました。

市場からその日に水揚げされたものを仕入れている魚を使った料理も多いですね。近隣の方から野菜をいただくこともあり、今の時季は大根が多く、今日の付け合わせにもしっかり大根が入っていますよ(笑)」(オーナーシェフ・久田康博さん)

今回はプリフィックスランチ(1430円)から、前菜は「能登大納言小豆のポタージュ」、メインは「能登産さわらのポワレ」をチョイスしました。

久田シェフが好みだという“冬の鰆”を使った「能登産さわらのポワレ」。トマト風味のブイヤベースとやわらかな食感の鰆の組み合わせが美味。

パンも自家製ですが、フィセルは久田さんの同級生が営んでいるベーカリーから仕入れています。パンと合わせてぜひ味わってほしいのがビストロ ・ウールー特製の「りんごバター」。りんごの風味をたっぷりと感じる軽い味わいのバターで、店舗、ネット通販でも購入できます。

りんごバターは瓶(冷蔵)とカップ(冷凍)があり、賞味期限が瓶は6か月(未開封)、カップは2週間。ネット通販は瓶のみです。

「フランスで修業していたときにりんごバターを知り、自分の店を開いてから、石川県産のオリジナル品種『秋星(しゅうせい)』を使ってりんごバターを作りました。今のりんごは甘み重視の品種が多いですが、秋星は酸味が強く、自分が子どもの頃に食べた酸っぱいりんご。火を入れるとおいしくなる特徴があるのでりんごバターにぴったりの品種です」(久田さん)

ビストロ・ウールー

かねこ結納品店

祖父の代から結納品を扱ってきた「かねこ結納品店」は、北陸新幹線の開業を機に、日常でも使える水引を使ったアクセサリーを始めました。

「みやげもの的な水引アイテムではなく、おしゃれとして日常使いできるアクセサリーをメインに、デザインから製作まで一貫して職人が手作りしています。水引で作った、野々市市の市花木である椿のピンバッチが人気となり、『野々市ブランド』の第1号に認定されました」(かねこ結納品店 金子昌代さん)

役目を終えた結納品を使って、オブジェとして飾れる羽子板も制作。松竹梅、鶴亀といった縁起物をモチーフにしているので、結納後、結婚式でのウエルカムボードに再利用されることも。

水引とは紙の芯をこより状にして絹糸を巻いたもの。昨今、アクセサリー素材として水引が認知されてハンドメイドで作る人も増えています。同店では差別化を図るために、デザインやきめの細かさなど、水引職人が鍛錬してきた伝統技法を活かして作っており、水引とは思えない緻密なものや華やかなものが多く、フォーマルにもカジュアルにも使えます。

水引といえば「あわじ結び」「梅結び」などのイメージがあり、アクセサリーのデザインを見て驚く人も多いのだとか。

水引は軽いのでボリューム感のあるアイテムでも着けやすいのがメリット。水には弱いですが洗濯をしない限り、長持ちして色褪せも少ないそうです。アルコール消毒もOK。水引は1回結ぶと外れないため、ご縁を結ぶ縁起物、運気上昇のアイテムでもあり、コロナ禍では魔除けとして身に着ける人もいるそうです。

店舗や近隣にある施設「1の1 NONOICHI」(後述)で販売。ネット通販は休止中ですが、インスタグラムからDMを送れば店から配送することも可能とのことです。

アンミカさんが着用した扇型ピアス「スエヒロ」も人気の商品。ピアス、イヤリング、ネックレス、インテリア製品を展開しています。

かねこ結納品店

1の1 NONOICHI

2019年4月にオープンした、官民連携のパブリックスペース「にぎわいの里ののいち カミーノ」内の商業施設。店内には食堂・カフェ、物販コーナー、シェアオフィス、シェアキッチンを備えていて、「みんなの学び舎」をコンセプトに、内装なども学校のような造りになっています。

イートインスペースは教室のような雰囲気。各施設の表示も教室番号のようですね。

シェアオフィス(自習室)はクリエイター、起業家が集う共同オフィスで、8ブースあります(月額・市内在住1万3200円、市外在住1万6500円)。

シェアキッチン(給食当番)は食の分野で創業を目指す人のチャレンジの場として開放された厨房施設で、石川県初の試みとのこと。カフェ、デリカテッセン、ラーメン、スイーツなどバラエティーに富んだ店舗のメニューが人気です。出店希望の方は設備、光熱費すべて含めて1回5500円で利用できます。

常設の「1の1 NONOICHI」の食堂では、定食、スイーツ、ドリンク、お弁当などを提供。豊富なメニューとおしゃれな雰囲気が若者、特に女性に大人気です。

野々市の名産を集めた物販コーナーでは、かねこ結納品店の椿の水引アクセサリーなどの野々市ブランド認定品や、地域の名産品なども揃っていておみやげにもぴったりです。

観光案内コーナーには野々市市と石川県内の観光パンフレットを揃え、声をかければボランティアガイドが町を案内してくれます。レンタサイクルもあり、平坦な地形の野々市は、冬場をのぞけば自転車での観光もおすすめです。

物販コーナー。「てくてくマップ」も配布しており、金沢の町家を移築した国指定重要文化財「喜多家住宅」など、歩いて周れる観光スポットもあります。

1の1 NONOICHI

山、海、川と自然に囲まれ、豊かな水の恩恵を受ける白山市

日本三名山・白山の雪解け水が手取川を下り日本海に流れる、山、海、川と自然に恵まれた白山(はくさん)市。白山市全域が白山手取川ジオパークとして日本ジオパークに認定されています。

白山比咩神社

地元では「しらやまさん」と呼ばれて親しまれている白山比咩神社。紀元前91年創建の2100年を超える歴史のある白山比咩神社は、霊峰「白山」をご神体として祀っています。白山の雪解け水は野や畑を潤す恵みを与えてくれるもので、水によって命あるものが生かされているというのが白山信仰の源。自然の神と共に生き、自然を敬い畏れることで霊峰白山の神に感謝を捧げる、全国に3000余りある白山神社の総本宮です。

私たちが訪れた白山市三宮町には本宮があり、白山山頂には奥宮があります。奥宮登拝は白山市白峰から別当出合登山口まで行き、そこから登るルートが一般的。標高2450mの室堂には、奥宮登拝の拠点となる白山比咩神社の祈祷殿や、一般登山者のための宿泊施設があります。

画像は標高2450mの室堂にある奥宮祈祷殿。

御祭神は神社名の由来になっている白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)、別名・菊理媛神(くくりひめのかみ)と、イザナミ、イザナギの夫婦神。菊理媛神は日本書紀だけに登場する神で、イザナミ、イザナギが口論をしたときに仲を取り持ったとされる神で、和合の神、縁結びの神として信仰を受けています。

前田家が加賀に入城して以来、前田家の祈願所として前田家の庇護を受けてきました。本殿も加賀前田家十代の前田重教より寄進されたものです。画像は祈祷を行う社殿。

古来、日本海で漁をする際に白山を目印にしていたことから、山の神を祀っている白山比咩神社でも、6月に行われる「みにえ講大祭」では大漁祈願も行います。また、境内に禊場があり、75㎝の水を貯めてその中で大祓詞を読みながら5分間浸かる「みそぎ」が年間を通じて行なわれており、雪の降る極寒の時期でも実施され地元テレビ局のニュースで紹介されていました。白山市観光連盟の禊体験ツアーは4月~11月の土日に実施され、一般の人でも禊の体験ができます。ちなみに近年の参加者は6~7割が女性とのことです。

白山比咩神社

おもてや

白山比咩神社の表参道にある大判焼きが人気の店。白山市吉野地区にある人気の大判焼き店「山法師」がプロデュースする姉妹店です。大判焼きは店頭で焼いておりテイクアウトのみ。「つぶあん」「カスタード」(各160円)、「白つぶあん」(170円)、「抹茶小倉」(190円)の定番のほか、毎月1日限定の「白雪」(250円)と、さくら、ごま、レモンなど季節限定品もあり、1月に訪れたときは「五郎島焼いもあん」(200円)でした。

地元の人がひっきりなしに訪れていました。金沢から買いに来る人もいるそうです。

あんがこれでもかというぐらいぎっしり詰まっており、どこまで入るか試してみたところ今の状態になったそうで(笑)、1個焼くのに20分ほどかかります。あんは甘さが控えめでしつこくなく、1個ペロリと食べられます。「白雪」はクリームチーズと白あんの組み合わせで、白あんの抑えた甘みにチーズの酸味が加わりとても美味。1日に訪れる機会があればお見逃しなく!

焼きたてもおいしいですが、30~40分経ってあんが皮になじんだ時が一番おいしいとのことです。

手前が「白雪」、奥の左が「五郎島焼いもあん」、右が「つぶあん」。

「おもてや食堂」も併設されており、定食や丼、カレー、うどん、焼きそばなどのラインアップ。「厚揚げ定食」(850円)は、木綿豆腐を揚げる福井の「竹田揚げ」がメインのおかずになっており、お店で木綿豆腐を揚げて提供しています。

おもてや

菊姫

白山市はおいしい水に恵まれた地域で、昔から味噌、醤油、酒など、製造に良質な水を必要とする店が各所にありました。安土桃山時代に創業した酒蔵「菊姫」もそのひとつ。

老舗酒蔵の威風を感じさせる大正時代末期に建てられた本社の建物。

菊姫が発行している小冊子「菊姫之記」でも、酒造りにおける水の重要性に触れています。

「酒造りでは使用する米に対して20~30倍の量の水が必要とされるといわれており、質、量ともに安定した水源を確保できるかどうかは酒造りにとって生命線と言えるほど重要なこと。菊姫では適度なミネラル分を含んだ良質の地下水を井戸からくみ上げ、仕込み水として使用。これは白山をはじめとする周りの山々が冬の雪を蓄え、“天然のダム”となっているおかげで、自然からの恩恵です」。

菊姫で使われている酒米は「山田錦」のみ。山田錦発祥の地である兵庫県三木市吉川町に契約田を確保しています。熟成にもこだわり、白山比咩神社の御祭神から名付けられた、菊姫の最高峰「菊理媛」は10年以上熟成された吟醸酒です。

山廃仕込みの純米酒「鶴の里」はIWC2007で初代チャンピオン・サケを受賞。初めて菊姫を購入する人にもおすすめのお酒です。

店舗での販売のほか、蔵元特約店の各オンラインショップでも購入できます。

加賀菊酒 菊姫

取材、文/阿部純子