ライフスタイル 江戸時代の炊飯テクを現代に!創業186年の「長谷園」が家電メーカーと共同開発した“全自動土鍋炊飯器”とは!?

質問です。この1週間で、アナタは何回自炊しましたか?ゼロの人は、もしかして食生活が乱れがちかも……。心身健康に過ごすためには、まず食への関心を高めることから!ということで、今回は土鍋なのに電気で炊ける“炊飯器界のパイオニア”に急接近!

「お米をおいしく炊く」改革!

2000年の発売時から、食ツウや料理人の間で支持されている伊賀焼の土鍋「かまどさん」。焼物の町、三重県伊賀市丸柱にある窯元「長谷園」が、天保3年から続く伝統と技術を守りながら生産しています。累計出荷台数80万台、予約から6か月待ちという最高峰の土鍋で炊くご飯は、冷めてもおいしいと評判です。

しかし、ひとつだけ残念なところが。そう、オール電化の人には不向きだということ。そこに目を付けたのが、ホームベーカリーでのパン焼きを追及してきたメーカー「siroca」でした。伝統+テクノロジーという、世界の違うもの同士が情熱を通わせた「かまどさん電気」は、企画から完成まで4年、試作500個と米3トン以上を費やした、一大プロジェクトとして成功しました。

日本の“炊飯器史”に刻まれた「土鍋の炊飯器」で炊くお米は、正真正銘直火炊きの味。伊賀焼の信頼性と、現代社会に合わせた利便性を兼ね備えた「かまどさん電気」が実際どれだけスゴイのか、伊賀焼の歴史とともに見ていきましょう!

「かまどさん」の生産地は、奈良時代から続く「伊賀焼の里」

天保3年から丸柱の山奥で伊賀焼を守り続けている「長谷園」。主屋をはじめ、離れや展示室、工房など14カ所が国登録有形文化財に指定されています。

「長谷園」は、伊賀焼の里として有名な三重県伊賀市丸柱にあります。江戸時代前半には、この土地を治めていた伊勢津藩2代藩主の藤堂高次が、全国から陶工を招いて茶器などをつくらせていました。その後、乱掘や陶工の減少などにより、一時は衰退。9代藩主藤堂嵩嶷(たかさど)が産業を盛り上げるため伊賀焼を復活させたことから、大衆の生活用品として土鍋などが出回るようになったそう。

通常の作業場は掘りごたつになっていて、職人さんは長時間そこに座ったまま制作に没頭します。陶土の香りが漂う独特の空間は、初めて来たのになんだか懐かしい気分……。長谷園の名品は、ここから生まれます。

伊賀焼で使われる陶土は、微生物の化石が含まれる400万年前の「古琵琶湖」の地層から産出されています。遺骸は、高温で焼くことで燃え尽き、無数の細かい穴となります。これが“伊賀の土は、呼吸する土”と呼ばれる理由。耐火度の高い陶土でつくられた「かまどさん」は、ゆるやかな熱伝導と蓄熱性に優れ、炊いた後も“呼吸”して水分量を調整するので、冷めてもおいしいんです。

江戸時代から昭和40年代まで使用され、2011年に国登録有形文化財に指定された「旧登り窯」。16連房それぞれに作品を入れ、下から順に15~20日かけて焼き上げていました。日本で現存するのは、ここだけだそう。

「かまどさん電気」の土鍋は、鍋底に温度センサで熱を測るためのセンサ受光部を設置し、水温を見ながら最適な炊飯を行ないます。土鍋炊きのおいしさを電気でそのまま再現するために、IHではなく、あえて昔ながらの“シーズヒーター”にこだわっています。

余談ですが、詩人・松尾芭蕉のふるさととしても知られる伊賀の国。現在の伊賀市にある「俳聖殿」には、芭蕉の等身大とされる座像(国重要文化財)が安置されていますが、なんとこれ、伊賀焼でつくられているとか!座像の芭蕉も呼吸をしている……かもしれませんね。

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