ライフスタイル 【女子文具】『ほぼ日手帳』2019年版発売開始!糸井重里さん、手帳には何を書けばいいんでしょうか?~その2~

もともとは糸井重里氏のWebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」のオリジナルグッズとして、2001年に生まれた『ほぼ日手帳』。今や世界中で78万人が使うまでに成長しました。そんな『ほぼ日手帳』の2019年版が9月1日より発売開始。生みの親である糸井重里氏に、2019年版の魅力に続き、書くことの良さについて聞いてみました。~その1~はコチラ

糸井重里氏。発売記念のイベント「書く!」展の会場にて撮影。

 

糸井さんが語る「書く」ことの素晴らしさ

―糸井さんは書くことをどう捉えていますか?

パソコンでタイピングして「僕」という言葉を書くとしたら、「BOKU」と打ち込みますよね。僕たちは普段、こうやって記号を並べて言葉を語っているんです。それにすっかり慣れているけど、これは自分に覚えさせたオペレーション。本来、「僕」という文字は、日本語の場合、漢字の象形文字が由来になっています。ひらがなにしても、カタカナにしても、漢字をくずしたもの。だから本来は、自然にあるものを写す行為が書くことなんです。単なるメモにしても、どこかで実際にある自然や人間が観察してきた現象が文字になっています。先人のものすごい努力によって残ってきたものが文字。仕事でタイピングすることはやむを得ませんが、誰もがこの状態に慣れるまでに、苦労した覚えがあるはずです。スマホでは「こ」と入れると「こんにちは」と出たりして、どんどん言葉が記号化しています。そうすると自分もそれを打ち込む機械みたいになってきます。青少年期に好きな子の名前を書いて心がジンとした経験はありませんか?文字を書くことで、手の平から指先を通じて、心と結果がつながって、魂が宿るんです。文字にはこれまでの長い歴史があります。人間にとって大事な友達みたいなところがありますよね。

―でもいざ『ほぼ日手帳』と向き合うと、何を書いていいかわからない自分がいます。

書けなければ、書けないでいい。そのためにほぼ日手帳には下に文字が入っているんだから。書くようになる自分を、待っていてあげたらどうですか?できないと思ったり、書けないと思っていることが邪魔をしているだけで、誰もが書きたいことはあるはずです。例えば食べたものを書いているだけで、食べるものがマシになってきたりするんですよ。毎日、同じようなものを書いているとつまらなくなるから。書くために、いつもと違ったものを食べようということもあるでしょう。インスタ映えじゃなくて、記録映えとかね(笑)。ラーメンなら味玉をのせたとか、美味しかったとか。人間は絶えず見分けて生きています。同じような商品があっても、こっちいいけど、あっちはいやといったように。見分けるのが表現になるわけです。書いていくことで、だんだんと見分けるのが上手くなる。自分の心が見えてきます。

ほぼ日手帳には「ほぼ日刊イトイ新聞」のコンテンツから抜きだした言葉が毎日(weeksは毎週)掲載されている。

―書くのはノートでも良さそうですが、手帳である意味は?

手帳には日付けがあります。今日、眠いと書くのと、明日、眠いって書くのでは、別の眠さなんですよ。毎日、僕たちは日付けの中で生きています。手帳に向かって今日1日を考えることで、1日をもっと大切にするようになるかもしれません。女性は時間の使い方が上手だと思います。男だと面倒だからいいやって思うことでも、女性はちょっと手を加えることが得意。例えば、卵をさっと目玉焼きにしたりね。これは3~5分あればできること。3~5分でも手帳と向かい合うと、今日、何があったかを考えたりします。それだけでもとってもいいことです。

巷では「夢を叶えるため」の手帳行為も流行っていますが……

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