ライフスタイル 在宅勤務でわかった、上階からの足音にキレそう!金子千緒さん(仮名・35歳・IT関連会社)

「お互い様」という面がある相隣関係においても、許容の限度を超えるものと判断されて、慰謝料請求が認められたケースもあります。

それはあなたのような上下階の住人におけるトラブルで、上階の住人はマットを敷くなどはしていたようですが、その効果も明らかではなかったようです。さらに足音などの騒音が深夜にも及ぶことがあったため、下階の住人は、直接「音がうるさいので対処して欲しい」と伝えたものの改善しなかったそうです。

下階の住人の相談を受け、管理人と管理組合が対応したところ、上階の住人は「自分も注意している。これ以上は無理です」という返答だったため、それを聞いた下階の住人は、改善の見込みはほぼないと判断。それで、騒音の測定器による計測をした上で、調停(裁判所で話し合い)を申し立てましたが、上階の住人は出頭せず話し合いはできませんでした。そのため、訴訟を提起するに至ったという事案です。

双方の事情や対応を総合的に考慮した上で、特に夜間には集合住宅での住まいの工夫をし誠意ある対応を取るのが当然なのに、上階の住人は不誠実な対応だったとして、慰謝料を認める判断がなされました。

音がうるさいと感じたら、慰謝料が請求できるという構図に直ちになるわけではありませんが、こちらは静かにするよう申し入れや管理会社へ相談などをして、改善に向けた努力をしたのに対し、集合住宅で夜間にもかかわらず子どもが駆け回るのを放置するなど、きちんとしつけをせずに開き直るような周辺への配慮や誠意を明らかに欠くような場合、総合的な判断から慰謝料の請求が認められる場合があるということになります。

在宅勤務と休園・休校が重なり、騒音問題に悩む人は急増中。配慮と許容をしつつ、解決策を互いに譲歩し合うことが大切なのかもしれない。

賢人のまとめ

上階の騒音問題で訴訟になった事例もありますが、それはレアケース。当事者同士で、譲歩の着地点を模索してみてはいかがでしょうか。

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賢人プロフィール

法律の賢人柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/