あなたは、“嫌なことをする男性”に拒否の意思を伝え、そのことで婚約解消をしたくないと悩んでおられるようです。
よく考えていただきたいのは、“この男性が好きで結婚したい”のか、それとも“結婚というものをしたいだけ”なのかということです。後者ならば他の相手もいます。自分にとって嫌なことをする相手の要求を聞いて結婚したところで、あなたは幸せになれるのでしょうか。
離婚を含む男女間の問題は、暴力や浮気などを除いては、どちらかが悪いと白黒をハッキリつけられるものではありません。この場合のように、性的な嗜好や、束縛の基準というのは、“合うか・合わないか”が大きな問題になるからです。
この彼のような男性の行動を、初めから恋愛対象にすらしない女性もいますし、嫌悪する女性もいる一方、 あまり気にしないという女性もいます。
こういった性癖や性格は、お互いよく知らないままに結婚し、入籍してしまった後に問題化して、泥沼の離婚問題になる場合も少なくありません。あなたの場合は、彼の考え方や性格が結婚前にわかったので、よかったかもしれません。
あなたは「結婚を前提に」交際しているから、別れ話が慰謝料につながると考えているようですが、そうではありません。問題になるのは、「婚約したかどうか」です。双方が主観的に「結婚を前提に」付き合っていたとしても、慎重にみる必要があります。両親に挨拶したとしても、必ずしも婚約したことになるとは限りません。
お付き合いの挨拶としか思わなかったと言われればそれまでです。婚約破棄により慰謝料を請求するケースは、婚約していたかどうかが紛争になりがちなので、第三者が見ても、婚約していたであろうと思われる客観的事実が必要です。例えば式場の予約をして前金を入れたとか、結納をしたとか、主観にとどまらない事実を複合的に判断したときに“これはお互いに結婚の約束をしたからこそ”と婚約が認められてはじめて、慰謝料が検討されるのです。
そして、一方的に彼が婚約を破棄したというならば、慰謝料を請求できます。例えば、彼の気が変わったとか、別の女性と交際を始めたなどという場合です。しかし、本件のように、彼の嗜好が受け入れられずあなたが拒否するという場合は、お互いの適合の問題になるかと考えられます。
質問内容を読むと、あなたは彼と結婚したいのかどうか、よく考えてみることが大切なのではないかと感じます。
結婚というのは、お互いに助け合って生活し、将来子どもが生まれたらお互いに頼れる存在であることポイントとなります。あなたの彼のような行動をとる男性は、自己中心的で将来的にあなた自身が苦労する可能性があります。一度結婚をすると、離婚は容易ではありませんから、両親とも相談しつつ、自分の幸せな将来のために決断をしてください。
