ライフスタイル 5年間同棲している彼(同級生・アルバイト)が、ほとんど生活費を入れません。最近、彼の父親が亡くなり、遺産が入ったようなので払わせたいのです!(A.Kさん 30歳 メーカー勤務)

今までの家賃と生活費の半分(5万円×12か月×5年分の300万円)をまとめて払わせたいのですが、何度も言い、物を投げつけるほど怒りをぶつけても、彼はお金を支払いません。迷惑料も含めて、払わせるにはどうしたらいいのですか?

A内縁関係なら、婚姻しているのと同様互いに扶養義務・生活費分担義務が発生し、収入のある彼から支払を求めることはできますが、ただの同棲の場合、確たる約束がないのであれば、全額回収は難しいです。将来彼とどうしたいかを考えて。

同棲でもめるケースは多々あります。それは、お互いにラブラブな時期に、“相手の人間的な本質”を見ないまま見切り発車的に開始してしまうこともひとつの大きな原因です。

また、今、友人同士で一緒に住むシェアハウスを選ぶ人も増えています。お互いに収入が少ないので、ふたりで住めば家賃や光熱費の負担が半減できるメリットもありますが、お金や家事の負担などでもめるケースもあるようです。

いずれにせよ、健康で働ける心身の場合、お互いに尊重しつつ同棲生活を継続させたいなら、最低限のルールは守るはずです。どちらかが不当にガマンしているなど“ひずみ”があるなら、話し合いなどで修正を重ねて行き、場合によっては同居を解消することなどが必要です。

 さて、あなたの場合、まず考えなくてはならないのは、“彼との生活と将来”はどういうものなのか、ですね。すでに夫婦同然に協力して生きているのか、そこまでではない場合にこのまま関係を継続するのか、解消するのか。それともいずれ結婚したいと考えているのか……。

 ちなみに、婚姻届が出されていなくても、“男女の双方に”婚姻の意思があり、共同生活をしていて、社会的にも夫婦と認められるほど、夫婦的な実体があることを法律的に“内縁関係”“事実婚”などといいます。これに当てはまりますでしょうか? 

 法律4

さて、これを踏まえた上で、考えていきましょう。

5年間同棲していたということは、結構長い期間同棲生活を送っているわけですが、彼は未だアルバイトで収入が安定しておらず、生活費を負担する意思がみられないところからしますと、婚姻の意思があって、夫婦としてひとつの家庭を築く意思を持って生活しているとはいいにくいですね。しっかりしたあなたに単に甘えて生活しているだけという印象です。

内縁ではないとすると、ふたりの生活を開始するときに、生活のルールを約束事として決めたかどうか。それを言った言わないにならないよう文章で残したかどうか。

また、彼が、過去に生活費を支払ったことがあったとすれば、その証拠(振込明細等)は残っていますか?過去に彼が生活費を支払ったことがあって、継続性があれば、生活費分担の約束があったことを示す事情のひとつになりえます。

 内縁とはいえず、生活費分担の約束もしていないかあいまいだとなりますと、法的に回収したいと訴えを起こしたとしても、きっちり認められるのは難しいでしょう。

 

賢人のまとめ

生活費をまとめて支払わせるのは、困難な可能性が大! その前に、自分の将来をよく考えて、不本意な人生を歩まぬよう、彼との別れも射程距離に入れることも考えては…?

賢人プロフィール

法律の賢人柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/