2018年から2年連続、「世界一幸福な国」に選ばれたフィンランド。日本からも多くの観光客が訪れる「オーロラ」や、愛され続けているキャラクター「ムーミン」などでも知られているフィンランドですが、近ごろ注目を集めているのが「サウナ」。日本でのサウナブームを受けて、サウナが文化的に根付いているフィンランドに興味を持つ人も増加中です。

フィンランド大使館の入り口にも外交関係樹立100周年を記念する旗が。
日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を迎えた2019年、文化交流のための多くのイベントが予定されています。
そのひとつが「サウナイルタ(Saunailta)」の立ち上げ。「サウナイルタ」とは「サウナの夕べ」の意で、フィンランド大使館のサウナに招待するイベントを月1回開催していくそう。フィンランド大使館の新装サウナのお披露目を兼ねて、その発表会が行なわれました。
フィンランドならではの「サウナ外交」

ペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使。
ペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使によると、フィンランドにおいてサウナは日常生活に欠かせないばかりでなく「サウナ外交」も歴史的に行なわれてきたとのこと。「サウナイルタ」のイベントを通して、さまざまなジャンルの人たちを招き、時事や政治、経済、文化など、リラックスした状態で話ができれば、と期待を寄せていました。今後、フィンランド大使館でサウナに入った人には「サウナ証明書」も発行される予定だそう。

フィンランド大使館のサウナを体験した人に贈られる「サウナ証明書」。
フィンランドのサウナってどんなの?
次に登壇したのは、マルクス・コッコ報道・文化担当参事官。サウナをこよなく愛するコッコさんは、フィンランドのサウナ事情について教えてくれました。
フィンランドのサウナは、木材や電気の熱で温めるサウナと、木材を燃やした煙で温めるスモークサウナがあるのだそう。どちらも、熱い石に水をかけて蒸気を発生させます。

家族でサウナを楽しむコッコさん。
「フィンランド人のアイデンティティーにサウナは深く根付いている」というコッコさんは、ご自身の息子さんも生後4か月で初のサウナを体験。フィンランドでは、赤ちゃんも一緒にサウナに入ることは珍しくないんだとか。

湖や海など、自然に接した場所にあるサウナがフィンランドでは人気。
サウナは発汗や熱さが注目されがちですが、コッコさんは「サウナはその後のクーリングやリラックスが一連のプロセス。それを何度も繰り返すことで楽しめるし、自然が近くにあるとなおさら良い」と言います。

スタイリッシュなヘルシンキの公衆サウナ「ロウリュ」。
一方、近ごろのフィンランドのサウナのトレンドに「公衆サウナ」があるそう。昔からフィンランドに公衆サウナは数多くありましたが、近ごろはレストランなどが併設されたり、建築物としても価値のある、新しい形のサウナがヘルシンキを中心に続々オープン。
「サウナについて質問を受けることが多いのですが、サウナには時間制限も入り方のルールもありません。自分が入りたいように入るのがいいし、何よりリラックスを大切に」と締めくくりました。