恋愛&結婚 元プロ彼女が「量産型ハイスペック男子」との婚活を捨て、手に入れた幸せ【後編】

サウナ好きを誇らしげに言う「量産型ハイスぺ男子」

大手マスコミに勤務する男性のパンチを食らってからコロナ禍に突入。2020年の3月後半から4月半ばにかけては自粛をしたものの、その後も婚活はし続けたという。

「ここですっごくよかったのは、エリート意識が高いのに、収入は(日紗子さん基準では)少なく、大手とはいえ民間(企業)勤務で自分は安定していると思い込んでいる人が、感染の連帯責任を恐れて、リアルな婚活マーケットに出てこなかったことです」

民間企業に勤務する30代後半以降の、離婚歴がない独身男性は、相手をマウンティングする傾向が強く、20代後半でハイスぺ婚を狙う日紗子さんを過度にいじるので、自分にとって不利に働くことが多かったという。

「コロナ禍中の合コンは、結果を出しているベンチャー系企業の社長が多かったですね。MBAホルダーで、シアトルとかポートランドが好きで、アウトドアとSDGs活動が趣味で、“サウナは人生の一部”っていう人が圧倒的多数でした。サウナ好きをやたらと公言する人が多かったですね。彼らをこっそり“量産型ハイスペック男子”って呼んでいました」

この量産型ハイスペック男子は、自分の優位性を知っている。結婚がしたい日紗子さんの足元を見て、マウントしてきたという

「会員制レストランで合コンが行われることが多かったのですが、主人と出会う前の最後の合コンが2対2で、量産型男子と量産型プロ彼女の私たち。その隣のテーブルが、経営者っぽい40代の女性4人で、とても楽しそうに仕事の話をしていました。海外ドラマの『SATC』みたいで、ちょっとカッコよかったです」

たまたま量産型男子がサウナの話をしているときに、そのチームのひとりが乱入してきたそう。

「その女性は、リトアニアのサウナが好きで、何度も行っているという話でした。それをマウントするでもなく、普通に情報交換っぽく話しに加わってきて。話の流れでその女性が最近、著書を出したという話になったんです。量産型男子はすぐに検索して目の前で購入しようとしました。でも、その女性の著書はAmazonの検索には出てこなかったんです」

そのときに、量産型男子は「私はAmazonの検索に出てこないと買わないんですよね」と鼻で笑うように言ったそう。

「これは、彼らが思うようにいかないときなどに、私たちもよくされる扱いです。そしたらその女性は、“あら、私の本は失格ねエ”って笑ったんです。彼らもその反応には驚いていました。“そんなこと言わないで、買ってよ”というと思ったんでしょうね。なんだかその彼女のおかげで、マウンティングを取る男性との結婚は嫌だな、と気づいたんです」

その翌日から、日紗子さんは婚活の方針を替えた。マウンティングをせず、フラットな視点を持つ男性と結婚したいと思うようになった。

「私は両親も兄も官庁で働く国家公務員。家族はそういうマウンティングをしません。これはもう、家族に頼むしかないと思い、兄に相談してみたら、公務員試験の予備校時代の後輩だったという今の主人を紹介してくれました。お互い公務員家庭で育っていたこともあり、ビビッと来て3か月で結婚。相当な回り道をしましたが、自分が生まれ育った家庭を再生産するような形になりました。それもまた幸せだと思うくらい、今とても主人を愛しています」

幸せの青い鳥は実はとても近くにいた。でもそれに気付くには、経験が必要だったのかもしれない。

結婚1か月の夫とはなにもかもが合う。ともに老いていく姿も想像できるという。
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