恋愛&結婚 夫婦円満は我慢の上に。有名夫婦の離婚で考える、結婚の「ムリゲー」問題【後編】

女優・鈴木保奈美さんと、タレント・石橋貴明さんが離婚した。ふたりは1998年に結婚。3人の子供が成人したことを機に、22年の結婚生活を終わらせた。

離婚報告のYouTube動画は“自分たちの言葉で報告したい”という誠意があったように感じる。動画の最後に登場したのは、厳しい顔の石橋さんと、笑顔の鈴木さん……この動画を見て、日本の結婚生活が、どれだけ女性に負担がかかっているかを感じ、“離婚もアリ”と考える女性も増えたかもしれない。

そこで、今回は「表面上問題はないけれど、離婚を考えているという」という複数の女性に取材した。

【将来離婚を考える32歳女性の話は前編で】

日々の譲歩と我慢が結婚生活の本質

佐藤裕子さん(仮名・パート勤務・45歳)は、18歳(娘)と16歳(息子)の子供がいる。今、離婚に向けて本腰を入れているという。

夫は一部上場企業に勤務する5歳年上の男性で、DVや浮気、モラハラなどの問題はないという。

「日本の男性の問題は、“妻を思う気持ちとモラハラが混同していること”なんですよ。夫はいわゆるエリートなので、幼いころから“あなたはパーフェクト”と育てられています。でも、独身時代、OLをしながらホステスやバンド活動をしていた私にとって、夫のコミュニケーションは“すべて上から”で、相手への配慮が足りないと感じていました。夫にしてみれば、相手を思ってのことかもしれないけれど、受ける側にとってはモラハラにもなることがあるんですよね」

例えば「また同じ失敗したのか~」「飯がまずいな。冷蔵庫の佃煮を持ってきて」「言うてもパートの仕事だろ?」「オマエに似たのか、娘は根性がないな」などなど。

「私のことをオマエ呼ばわりするのも、モラハラになるのかもしれません。私だって、独身時代は、食べて行けるだけの仕事をしていたし、子供が立て続けに生まれなければ、前の会社にいたと思います。でも、今以上に当時は女性が働くことに対して外圧が強かったんですよね」

結婚した2002年頃の女性誌は、“良妻賢母こそが私たちの理想”というような記事がまだ踊っていた時代。

「程度の差こそあれ、それは今でも変わらないと思います。この世は、男女問わず、自己犠牲をする人が大好きなんですよ。特に子供のために仕事を諦めたという女性は“愛情深い”とされますよね。鈴木保奈美さんもあれだけの能力と人気があったのに、10年近く女優業をお休みされていましたし」

裕子さん自身の自己犠牲は計り知れない。

「まずは、子供のために仕事を辞めました。そして好きなアーティストのライブに行けない……これは夫が“俺の金で生活しているのに、遊べていいな”というようなことを言うので、遠慮してしまうんですよね。あとは、友達や実家に自由に行けなくなりました。夫と子供の食事を作り置きしていくとなると、おっくうになります。夫は別に作って行けとは言わないのですが、ピザやハンバーガーのデリバリーだと、栄養バランスも家計も心配になりますからね」

ほかにも、夫は結婚以来、洗濯、食器洗い、掃除など一切していない。

「以前、“名もなき家事”と言うのが話題になりましたよね。例えばトイレットペーパーを買ってくる、洗剤をボトルに詰めかえるなど。そういうことももちろん彼は一切していません。トイレに入り、トイレットペーパーの芯がホルダーにかかっていて、横に使いかけのロールが置いてある絶望ってわかります?」

飲み会に参加しても、家が気が気じゃない理由とは?

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