恋愛&結婚 両親と入浴、母親が欠勤連絡、父親が退職交渉……アラサー女子の密すぎる親子関係【前編】

20代後半~30代前半の女性に親子関係について話を聞くと、千差万別であることがわかってくる。

「毒親だから縁を切っている」という人もいれば、「週末は母と遊ぶ」「実家暮らしで両親が全部家事をしてくれる」という人もいる。

親子の関係は人それぞれ異なり、「これが正解」という定義はない。しかし親は子より先に老いていき、先に旅立ってしまうもの。「いずれ子供はひとりで生きる」ことを考えながら、親子関係の距離感について意識していく必要があるのではないだろうか。今回は印象的な女性2人の親子のケースを紹介する。

親との結びつきが強まる背景には、収入の少なさや介護などで一人暮らしができない人が増えているという現実もある。総務省統計研究研修所『親と同居の未婚者の最近の状況』(2017年・西文彦)を見ると、親と同居の若年未婚者(20~34歳)の割合は、1980年は約30%であるのに対し、2016年は約46%に上がっている。

父は私の好みを知っている

デザイン事務所に勤務する、山口凛子さん(仮名・30歳)は、一人娘であることもあり、両親から愛されて育ったと自認する。

「怒られた記憶がないです。やりたいことは何でも叶えてくれて、小学校高学年あたりから始まり、コロナ前までの18年間は、毎年家族で海外旅行に行っていました」

特に社員10人規模のIT関連会社を経営している父親とは、とても仲がいいという。

「幼いころから、欲しいものは何でも買ってくれました。私の趣味も好みもわかっていてくれて、父が買ってくるものにハズレはないんです。このブラウスもバッグも“凛子に似合うから”と買ってきてくれました」

それは、手取り月収27万円の凛子さんには買えないようなハイブランドのアイテムだ。父親と母親は仲が良く、理想の夫婦だという。写真を見せてもらうと、モード系のファッションに身を包んだモデルのような夫婦が肩を組んで笑っていた。

「お互いに仕事をしていて、2人は今還暦なんですが、娘から見てもめちゃくちゃカッコいい夫婦なんです。ケンカなどはほとんど見たことがないし、モラハラとかも一切ありません。モテるからおそらく浮気はお互いにちょっとあったかもしれませんが、今は穏やかです」

家族が少し不安定になったのは、凛子さんが12歳のとき。おそらく、母親の方が浮気をしており、外泊しがちになったのだという。

「あのときはどうなるかと思いましたが、いろいろ話し合って、母は家に戻ってきました。私は中学受験だったので、塾のお弁当を父が作ってくれたりしてましたね……父は自分が家族に恵まれなかったから“自分の家族は大切にしたい”という思いが強くあったようです」

無事に第一希望の名門女子校に合格し、その後、都内の名門大学の経済学部に進学。両親のすすめでアート系の専門学校とダブルスクールをして、今があるそう。

「こっちの方がいいよ」と両親が道を示してくれる

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