恋愛&結婚 両親と入浴、母親が欠勤連絡、父親が退職交渉……アラサー女子の密すぎる親子関係【後編】

20代後半~30代前半の女性に親子関係について話を聞くと千差万別であることがわかってくる。結婚する人、縁を切る人、つかず離れずの人、月数万円の仕送りをもらったり親に送ったりしている人……。

今回は、東京で生まれ育った人に増えていると感じる、両親と密接な関係にある30代女性をインタビュー。前編では30歳でも時々両親と3人で風呂に入るという女性の人生観を紹介した。

【前編はこちら

今回は「つらいことは全部親がやってくれる」という32歳の女性にお話を伺った。

成人している子と親の結びつきは強くなっていると感じる人は多い。その背景には、晩婚化もあるけれど、定収入や介護で一人暮らしができない人が増えているという現実もある。総務省統計研修所『親と同居の未婚者の最近の状況』(2017年・西文彦)を見ると、親と同居の若年未婚者(20~34歳)の割合は、1980年は約30%であるのに対し、2016年は約46%に上がっている。

勤務先への当日欠勤の連絡は母がする

山本真理子さん(仮名・32歳)は、ある政府系の外郭団体に勤務して9年になる。

「給料は人並み(手取り・25万円)ですが、残業がありません。カレンダー通りのお休みで、有給休暇もフルフルでとれます。それに、万が一残業しても、残業代は1分単位で支払われます」

企業によっては、実質、残業代を請求しないように従業員に圧力をかけたり、支払ったとしても15~30分単位だったりするところもあるというが……。

「弁護士の父に言ったら、“労働基準法では1分単位で支払うのが当然”って言うんでしょうけど、新卒から1年間勤務していたコンサルティング会社があまりにもブラックだったので、今の会社のように労働者の立場に立った環境が整っていると感動してしまいます。産休や育休、介護休暇も取れるし、今はホントに天国です」

真理子さんは、都内の中高一貫の共学校を卒業し、中堅大学の法学部を卒業した。

「法学部に入ったのは、父のことは意識していたから。やはり、父が弁護士というと“すごいね”って言われますね。でも若いとどうしても反発してしまうんですよ。ひどかったのは大学時代に初めて彼氏ができたとき。彼が自立していてカッコよくて、親への反発心が強くなってしまったんです。当時、親が望まない朝帰りをしたり、ヒップホップダンスサークルに入ったり、髪を派手に染めたりしました。母親はヒステリーになって、私を出かけさせまいとしていたけれど、父親は黙って見守ってくれていましたね」

見て見ぬふりをする父のことを、当時の真理子さんは憎たらしく思い、反抗心もあって、腰に小さなタトゥーを入れた。

「見つかった時、母親はギャン泣きして、“親にもらった体に……お父さんのことも考えなさい”って怒ったんですが、父は何も言いませんでした。まあ、当時、2歳年下の弟が、大学に全落ちしてそれどころじゃなかったこともあったかもしれませんが。この弟というのが、勉強が得意ではなく、中学受験も全落ちし、高校も第一希望、第二希望と落ちた。そして、大学も落ちてしまいました。その結果、関西の専門学校に通うことになったんですが、そこで出会った女の子と結婚して、今は3児の父です。静岡で働いているのですが、母はせっせと通って孫の世話を焼いているようです」

真理子さんの母親は世話好きだという。

「母は子育てが終わってから、犯罪被害者支援・加害者更生のボランティア活動とか、虐待児童の支援など、様々な活動をしています。私が困っていると、すぐに手を差し伸べてもくれます。男の子からの告白を断ってくれたり、バイトの当日欠勤の電話をしてくれたり……今も欠勤連絡は母がしてくれます」

勤務先への欠勤連絡を、親がするという人は実は意外といるようだ。当日の欠勤は、誰かに仕事の皺寄せが行くため、理由を聞かれてしまう。当事者が連絡すれば、嫌味のひとつも言われるだろう。しかし、母親が「体調不良で休みます」と勤務先に連絡をすれば、それ以上のことは言われない。

「私が困っていたら親は助けてくれます。新卒時、憧れの気持ちで就職したコンサル会社を一年で退職できたのは父のおかげ。あの会社は過度なノルマを社員に課し、私にテレアポをさせて、終電まで残業させ、始発で来させるブラック企業でした。辞めたいと言っても辞めさせてもらえなくて……。当時、父への反抗心から距離を置いていたのですが、そのときに父に相談したら“わかった”って」

父はサービス残業の証拠を揃え、人事部に面談に行く

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