恋愛&結婚 コロナ禍で発症した摂食障害で体重が36キロに。それでも何も言わない親とは「仲良し」【後編】

20代後半~30代前半の女性に親子関係について話を聞くと千差万別であることがわかってくる。

「毒親だから縁を切っている」という人もいれば、「週末は母と遊ぶ」「実家暮らしで両親が全部家事をしてくれる」という人もいる。

親子の関係に「これが正解」という定義はない。ただ、親は老いて先に死ぬ。「いずれ子供はひとりで生きる」ことを考えつつ、親子関係を考えるのは、子供は何歳くらいが適切なのだろうか。

親子の関係に「これが正解」という定義はない。ただ、いつか親は先に老いて先に逝ってしまう。「いずれ子供はひとりで生きる」ことを考えつつ、親子関係を考えていかなくてはならないが、それは何歳ごろから考えるべきなのだろうか。

親との結びつきが強まる背景には、収入の少なさや介護などで一人暮らしができない人が増えているという現実もある。総務省統計研修所『親と同居の未婚者の最近の状況』(2017年・西文彦)を見ると、親と同居の若年未婚者(20~34歳)の割合は、1980年は約30%であるのに対し、2016年は約46%に上がっている。

ステイホームから2カ月間、家から出ず動画を見ていた

IT関連会社に勤務する、池田彩香さん(仮名・27歳)は、23区内の実家に両親と姉と住んでいる。2020年の夏、体重が36キロにまで落ち、病院に強制的に連れていかれたという。身長は160㎝、以前の体重は50㎏だったそう。

現在の体重は41kg。肩の骨は浮き上がり、手首は折れそうなほど細い。

【前編はこちら

アクティブに行動していた日常をコロナ禍で突然絶たれてしまう。会社は「絶対に外出するな」と圧力をかけた。

「割り振られる仕事を孤独にこなし、誰にも相談できず、不安だらけで部屋にこもっていました。母が玄米でローカーボな食事を用意してくれるのですが、動いていないのに食べると太ってしまう気がして、1日1食にしたのです」

ろくに食べず、太陽の光も浴びず、会社の厳命に従って散歩もしなかったという。新型コロナに感染したら一貫の終わりだという危機感もあった。

「あまりにも辛くて、現実逃避がしたくて、いろんなドラマを観たのですが、どれもコロナ前の世界。ここには戻れないと思うと辛くなるので、韓流アイドルの動画を見続けたんです。キレのある動き、ハッピーでキラキラした世界、かわいい色使いと世界観。独特の音楽も最高でした」

ハングル文字で自分の名前を書いたり、ハングル語の勉強も始めた。

「私、昔から、誰かを好きになると、その人と同じことがしたくなるんです。コスプレ家族写真も、私が『ハリー・ポッター』にハマって“あんなカッコがしたい!”と盛り上がったことから始まったんですよね」

彩香さんはある女性アイドルグループに夢中になる。彼女たちのように踊りたくなり、オンラインのダンスレッスンを受けた。大学時代にダンスサークルに入っていたこともあり、基礎はできている。すぐに上達したのだが、あまりにも自分が不格好だと思ったという。

「大きな顔、たるんだ二の腕、短い脚、ぶよついた腹……何かを食べたら彼女たちに近づけないと思って、ずっと水とゆで野菜だけ食べて、動画を見ながらダンスの練習をしていました」

あるとき、リモートの会議で、ガリガリに痩せた紗香さんに同僚が気付いた。「ちょっと、やばくない?」ってLINEがきたとか。

「親と毎日顔を合わせているんですが、親は何も言わないんですよね。自分でも痩せたと思っていましたが、キレイになったと思っていました。ヤバいくらい痩せていたら、親は何か言うと思うんですよ。だから何の変化もないと思っていたんです」

紗香さんととても仲がいい同僚は、異変を紗香さんの彼に伝えた。4か月近く会っていないけれど、交際は解消していない。彼はすっ飛んできてくれた。

「彼がめっちゃびっくりして、“骸骨じゃん”って。言われてよく見たら、あばら骨は浮き出ていて、関節がわかるくらい痩せていたんです」

なんでもほめる両親に彼氏は「ヤバいよ」と言った

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