恋愛&結婚 地方に嫁いだ都会女子、メリットは自然の多さと割安な生活費、デメリットは……【後編】

萩島花音さん(仮名・32歳)は、東京生まれ、東京育ち。コロナ禍を機に地方の会社の跡取り息子の彼と結婚。現在は東海地方の人口4万人の都市に住んでいる。

【結婚までの経緯は前編で】

義実家と親戚からの“クソ”バイス

義実家とは同居ではないが、実家敷地内の離れに住んでいる。

「行動がお互いにわかるんですよ。“あ、出かけたな”とか“帰って来たな”とか。これに慣れるまでが苦痛でした。それにどこに行くにもクルマ移動。義母から“あなた●●に行くなら、頼みたいことがあったのに”などと言われてしまって。なぜ行先がわかったのかと思ったら、私のクルマを見つけた義母の友人が、義母にLINEしていたんです」

彼女たちに全く悪気はない。それが普通、当たり前なのだ。

「この感覚は慣れるしかありません。また、女性が家事と育児を一手に引き受けている人が多いと感じました。夫とスーパーで買い物をしていて、親戚の同世代の女性にバッタリ会ったとき“ヨーちゃん(花音さんの夫)って掃除するんだってね。ウチは何も手伝ってくれないのよ”と言われました。一緒に暮らしていて一緒に家事をするのは当たり前、“手伝う”っていうことではないと思ってたのですが」

子供についても聞かれる。「いつできるのか」「男の子を生まないとね」などなど。

「驚いたのは、義母から“花音さんはお兄さんがいるのね。よかった”と言われたんです。兄は親の近くに住んでいるから、そのことを“よかった”と言ったのかと思ったら違いました。私の母親が男子を産んでいるので、私も男子を産めると思っての発言なんだと気づきました」

科学的根拠がない迷信を、悪気もなくぶつけてくる。

「以前なら、離婚して東京に帰る、となっていたと思いますが、コロナ禍で県境を越えるのに抵抗もありますし、夫に怒りをぶつけていました。あとは「クソバイス」(クソみたいなアドバイス)が多いです。東京の人は○○が苦手だから○○しなさいとか、根拠のないことを。でもこれは、地方だからそう、と言うことではないんですよね。都会にいると、デリカシーがない発言をすると徹底的に疎外されるケースがあるので、みんな学んで言わないようになったりしていますが、地方はコミュニティ自体が定着しているから、そういうことを気にしないでいいのかもしれません」

でも、近くには海も山もあり、その美しい景色は心を打つ。

「私はアートが好きなのですが、ピカソもゴッホも自然からインスピレーションを得ていました。毎日、自然が近くにあると、“これでいいのだ”と思えるのが不思議です。自然の美しさって何物にも変えがたい。おいしいレストランはそんなにありませんが、野菜もお米もハッとするくらいおいしいんです。半年もしたら、周囲の過干渉も受け流すようになれましたしね」

月1回出社がスタート。東京の空気が苦しくなった

1 2