恋愛&結婚 浮気を繰り返す弟が、地味めな妻にキャリアを積ませようとする理由とは…?

2万人以上のワーキングウーマンを取材してきたコラムニストの夏目かをるさんが、アラサー&アラフォー女性の恋愛・婚活にまつわるリアルストーリーをご紹介します。

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「弟のことで、ものすごくムカついているんです」

ゲームクリエーターの友香さん(仮名・30歳)は怒りを抑えられないというように、拳を握ります。同じ境遇で育ったはずの姉弟でも、理解しがたい弟のことで以前から悩んでいたとか。一体何が起こったのでしょう。

「2歳年下の弟は小さい頃から要領がよく漁夫の利を心得ていて、私の分までおやつをゲットしたり、親戚からお年玉をせしめるなどのお調子者。成人してからはいわゆる“チャラ男”の部類に入るようなやつです」と友香さんは苦々しい表情を浮かべます。

恋愛に対して真面目な由香さんとは真逆な弟は、大学生になると浮気や二股が当たり前だったそうです。

「小学校と中学校は同じ学校だったので、弟のお調子者ぶりが自然に耳に入ってきました。私が女子高に入学すると、やっと弟の噂から解放されたものの、また大学が一緒になって、弟のチャラ男ぶりが絶えず耳に入ってきました。中には直接弟の悪行を訴えてくる後輩女子もいたんです」。

弟は常に二人以上の女性と付き合っていたそうです。在学中に友香さんは弟にどうして一人の彼女に絞り込めないのかを尋ねたことがありました。

「すると弟はしれっとして、『モテる男はつらいのよ』とふざけたことを言うので、『手を出すのはいつもお前からだろう』と真実を突きつけたら、にやっと笑ったんですよ」

弟は「姉さんは男の気持ちをわかっていないよな」と馬鹿にした口調。「だから男に縁がないんだよ」と憎たらしいことをぬけぬけと言ったそうです。

「弟は『男はみんなハンターなの』とか『本命に逢うまで、いろんな女と付き合いたくなるのが男っていう生き物だ』と、浮気や二股を自分で擁護するような言い方。ムカッときたので『それならあんたの本命って、どんな女性なのよ』と問い詰めたら、『いい女に決まっているだろ』とごまかしたんです」

大学を卒業してから、念願のゲーム会社に入社した友香さんは、仕事に没頭したおかげで、チャラ男の弟のことを気にならなくなったそうです。ところが7年後に事件が起こりました。

「弟が27歳のとき、実家に男性が押しかけてきたんです。30代くらいの方です。玄関先で弟を出せと興奮していました。父親が対応したところ、自分の婚約者に弟がちょっかいを出したと怒り心頭。私は母と居間で声を潜めて成り行きを伺っていました。男性は婚約者の様子がおかしいと探偵に調査を依頼すると、ホテルから出てきた婚約者と弟のツーショットの写真を探偵から渡されたというんです」

弟はその日はたまたま出張で留守。父親は、玄関先で大声で怒鳴る男性を落ち着かせるために、応接室に案内しました。母親がお茶を出しに応接室に入ると、男性の声が一段とヒートアップしたそうです。

「それから1時間ぐらい経ってから、男性は出ていきました。玄関先で『息子さんに慰謝料を請求するつもりです』と言って帰っていきました」

母親の話によると、父親は応接室から出張中の弟のスマホに電話をして、事情を説明したそうです。男性は父親からスマホを奪って弟と直接話をしようとしたらしいのですが、父親はそれをかたくなに拒否。20年前から続けていた合気道が役に立ったようです。父親が男性に「息子と婚約者を別れさせます」と約束して、その場が収まったとか。

「もちろん弟は女性と別れることになりました。また父親に頭が上がらなくなった弟は、引っ越しをして一人暮らしを始めたんです」

友香さんがその女性のことを尋ねても、弟は無言のままでした。

「弟はその女性と付き合っていたときも二股していたようですが、彼女のことは本気で好きだったんでしょうね。怒鳴り込んでいた男性が、『モデルの婚約者』と言っていました。きっときれいな方なんでしょう。だから、その1年後に婚約者を実家に連れてきたときは驚きました。弟がこれまで付き合っていたタイプの女性とかけ離れていたからです」

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