恋愛&結婚 1年付き合ってキスも無し…友達以上恋人未満の関係に悩んだら考えるべきコト

2万人以上のワーキングウーマンを取材してきたコラムニストの夏目かをるさんが、アラサー&アラフォー女性の恋愛・婚活にまつわるリアルストーリーをご紹介します。

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イラストレーターの美由紀さん(33歳)は、恋愛経験が少ないため、20代半ばから「恋愛に縁がないかもしれない」と考えるようになりました。交流関係はイラストレーターや漫画研究会、フィギュア愛好者など、“オタク”と呼ばれている人たちばかり。オタク同士のカップルももちろんいますが、美由紀さんはオタク同士の恋愛は成長しないのではないかと思っていたそうです。

「同じ趣味の人と話すのは楽しいけど刺激がないので、だんだんと『会わなくてもいいや』と恋愛に対してだらけてしまいます。すると『そもそもこの人のこと、好きだったのかな』と恋愛そのものに対して懐疑的になってしまうんです」

そんなある日、派遣で働きながら漫画家を目指す女友達から「うちで鍋会をやるから遊びに来て」と誘われます。友達のアパートに出向くと、2歳年上のタロウさんという男性がかいがいしく鍋の準備をしていました。コンビニでバイトしながら漫画家のアシスタントをしているというタロウさんは無口でしたが、ガンダム好きという趣味が一致して、それなりに話が弾んだそうです。

「タロウさん、タロウさんの男友達、私、私の友達の4人で鍋を食べながら、漫画の話になりました。するとタロウさんは饒舌になって、しばらくの間、タロウさんの独演会のように。するとタロウさんの男友達が『彼は自分のことを“即身仏男子”と呼んでいるんだよ』とからかい始めたんです」

自称“即身仏男子”というのは、「現世で期待することはない。だから自分は生まれながら既に仏になっていると達観すること」とか。最初から諦観しているので、脆弱ではないと主張します。

「面白そうな人だなあと思って、鍋会をきっかけに彼と公園でデートするようになりました。天気の良い日にベンチに座りながら、一緒にお弁当を食べるだけですが、アウトドアなデートでも居心地が良くて」

公園にはいろいろな人がやってくるので人間観察にもなるというタロウさんに、いつしか美由紀さんは彼の漫画家デビューを応援したくなったそうです。
「でも自称“即身仏男子”のタロウさんには、セックスという概念がないんです。公園のベンチで『月が綺麗だね』とたまにロマンチックな気分で手を握ってくれるぐらい。キスもなく、ただ一緒にいると心地よいという関係でした。こういう恋もあるんだと当時の私は割り切っていました」

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