500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきたキャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。
今回は、キャリア女性がとらわれる「起業したら人生が変わるかも」幻想についてお話しします。
高学歴であっても、会社に振り回される人生
佐藤由衣さん(仮名・37歳)は、旧帝国大系の国立大学の理系学部を卒業後、国内大手の製薬会社へと就職しました。その後、2度の転職を経て、現在は外資系の製薬会社の管理部門に勤務しています。
彼女は、スキルアップや自分磨きに余念がありません。先日参加したビジネスセミナーでは、衝撃を受ける言葉を聞きました。講師は本も数冊出している、業界の有名人です。
その言葉とは、「好きなことだけやればいい」「会社員が一番のリスクだからすぐに起業しよう」。
由衣さんは、会社員がリスクであることを痛感するキャリアを重ねてきました。
最初に就職した製薬会社では、上司の執拗なセクハラと、それに対する会社の不誠実な態度によって、由衣さん自身が転職を余儀なくされました。
2社目はは外資系の医薬品商社の日本法人開設準備オフィス。しかし、転職後1年を過ぎた頃のある日、そのオフィスは閉鎖が決定。日本でのビジネスが思うように展開できないための撤退です。日本人スタッフは全員解雇。やむなく由衣さんは、別の外資系製薬会社へと転職とすることになったのでした。
気が付けば、会社の事情にばかり翻弄されて、今やアラフォー。「これ以上会社に人生を振り回されたくない!」そんな漠然とした不安にとらわれていた由衣さんにとって、ビジネスセミナーで語る講師の言葉が、胸に響いたのです。
「でっかい夢」は理想だけを見ているだけ……貯金600万円をはたいて起業!?