500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきた、キャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。
今回は、恋愛相手に溺れ、相手の言いなりになってしまう状況を脱出する方法について紹介します。
シングルマザーの町田亜樹さん(仮名・29歳)は、5歳と7歳の子供の育児をしながら、地元企業で経理の仕事をしながら、夜の仕事も始め、最近はパーソナルトレーニングジムに通い始めました。そこで出会った男性に、久しぶりに恋をしてしまいます……。
その1はこちら
ホレた弱みで、借金の申し込みに応じてしまう
亜樹さんは昼の仕事ではパソコン画面と伝票とだけ関わり、夜の仕事では、圧倒的に年齢が上の男性とだけの接客。そいて常日頃、両親に子育てで迷惑をかけている負い目もあります。
身近に相談したり雑談したりする相手のいなかった亜樹さんにとって、明るく前向きで健康的、そして亜樹さんの話を親身に聞いてくれるパーソナルトレーナーの正隆さんは、まさに砂漠に現れたオアシスだったのです。
そんなある日、亜樹さんは正隆さんに食事に誘われました。通常、このようなジムで、トレーナーが顧客を個人的に食事に誘うことはありません。そのことを知っていた亜樹さんは、若干の不安がありつつも、すでに心惹かれてしまっている以上、理性はコントロールできなくなっていたのでした。
数度の食事を重ねて、やがて二人は男と女の関係に。初めて男女の関係になった日、正隆さんは亜樹さんに言いました。
「実は思った以上にジムの経営がうまくいっていない。返済だけでアップアップだ。あと100万円の現金が手元にあれば、ジムの経営も安定するのに」
それを聞いた亜樹さんは、迷わず正隆さんに言いました。
「私の貯金を使えばいい。ジムの経営が安定してきたら返してくれればいいし、足りない分は私がバイトの日数を増やせば、大丈夫だから」
夜の仕事のベテラン・オーナーママの判断
実はその頃、正隆さんのジムの悪評が、近所ではすっかり知れたものになっていたのです。顧客の女性に対する暴言や、ドタキャンや予定変更。パートナーだった後輩も、うんざりして辞めてしまったそうです。
顧客との約束をドタキャンした日に、女性とラブホテルに入っていく姿も目撃されるようになっていました。
亜樹さんから、お金が必要なので出勤日を増やしたいという要望を聞いたクラブのオーナーママは、正隆さんのジムの評判や、最近亜樹さんが正隆さんと深い仲らしいという噂も聞いていたので、すぐにピーンときたそうです。
オーナーママが亜樹さんに「お金も大事だけど、子供のことや昼間の仕事のこと、もっと全体を見て、自分の仕事のペースのことを考えなさい」とアドバイスしても、亜樹さんは恋に夢中になっているので、まったく聞く耳を持ちません。
「とにかくお金がいるので、出勤日を増やしてほしい。それで昼の仕事がクビになっても、そうしたら夜一本で生きていくし、子供は両親が見ているから大丈夫。出勤日を増やしてくれないなら、他の店に行きます」と亜樹さんは宣言。
数週間前まで冷静に昼と夜をわけて考えていた亜樹さんの姿は、そこにはなかった。