500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきたキャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。
今回は、諦めた夢を男性で満たそうとした女性のお話です。
公立中学校の先生になりたかったが、一般企業に就職
大手電機メーカの経理部門で働く池田靖子さん(仮名・32歳)は、2年交際した彼に振られ、すっかり落ちていたメンタルを取り戻したいと私のオフィスを訪れました。
健全なメンタルを取り戻したら、結婚を前提として真剣交際できる相手と出会いたいという希望もありましたが、一つの大きな迷いもありました。
靖子さんの両親は、ともに中学校の先生でした。父親は校長先生まで上り詰めています。子供たちの教育に向けて懸命に働く両親の姿を見ながら、康子さんはずっと教員になることを夢見ていたのです。
しかし、教員になった大学の先輩がうつ病を患ったまま退職した話を耳にするように。それも1人や2人の話ではなく、多くの教師になった先輩がうつで退職しているのです。それで靖子さんは教員への夢をあきらめて、一般企業へと就職しました。
「経験もしないまま、保身の果てに将来の選択をしてしまった……」そんな劣等感が付きまとっていた靖子さんは、入社2年目のときに10歳年上の他部署の上司と不倫してしまいます。
きっかけは、社内の懇親会でした。この不倫は3年続きましたが、彼の転勤にともない、自然消滅。その後も何人かの同僚や友人を介して数人の男性と交際しましたが、特に長続きすることも、結婚について考えることもない、軽い交際の連続でした。
転機が訪れたのは、靖子さんが30歳のときです。ずっと住んでいる都内の実家でエアコンを交換するにあたり、業者がくることになりました。しかし、法事で両親が家を留守にするので、代理で交換に立ち会いました。
指定された日曜日に家で待っていると、業者が二人でやってきました。一人は筋骨たくましく、肌が焼けた中年の男性。どうやら、この人が交換と設置の責任者のようです。そしてもう一人、少しあどけない顔をした頼りなさそうな金髪の若者でした。アシスタントの新入社員なのでしょう。
アシスタントの「デキなさ加減」が母性本能に火をつける