500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきたキャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。
今回は、根強い男性社会に蔓延る「男性は、心の奥底から群れるのが好き」ということについてのお話です。
前例と慣習重視の会社の風土に嫌気がさし30歳で転職
都内の食品メーカーの開発部門で働く清水由美子さん(仮名・33歳)は、転職して3年目。
前職は同業他社で働いていましたが、古い企業体質にうんざりすることが重なり、比較的新しい企業である今の会社に移ることにしたのでした。
前職時代も開発部門で働いていましたが、とにかく前例と慣例が何よりも大切とされる会社の雰囲気でした。その、お役所のような風土が新卒での入社時から嫌だった由美子さんは、30歳の時に転職を決意します。
その転職の決定打となったのは、入社から6年経ち主任としての立場を与えられて出席した会議での、上司達の態度でした。
それは由美子さんのチームで提案した、ある企画についてのことです。
その企画を役員出席の会議に提出するにあたり、事前に由美子さんはチームメンバーと課長、次長、部長とミーティングを重ね、その内容にGOサインを出してもらいました。よくできた企画書だと、上司の皆が褒めてくれ、部長にいたっては役員が反対しても押し切るとまで断言してくれたのです。
そして会議本番、由美子さんたちの企画について、プレゼンテーションが終わると、出席者たちからは賞賛の声が上がりました。手応えを感じた由美子さんとチームのメンバーは、その場でこの企画がOKになることを確信しました。
しかし、ある古参の役員である山井専務(仮名)が、その場で待ったを掛けたのです。
山井専務が待ったをかけた理由は、由美子さんたちの企画が、その会社ではこれまで取り組んでいなかった分野の商品であること。競合他社がすでに市場に浸透していること。「それにも関わらず、わが社の伝統を覆してまで、取り組む必要を感じない」とまで言われたのです。
創業家出身で現在の社長とも近い山井専務がこのような反論をしてくることは、由美子さんは織り込み済みでした。
すぐに用意していた追加資料を出して、その山井専務の懸念は、払しょくできることを示しました。しかし、山井専務は首を縦に振りません。
古参役員の感情の問題で、プロジェクトの行方が左右される