500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきたキャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。
今回は、「脈アリなのに、関係を深めてこない彼」との関係に悩むキャリア女子の体験談をご紹介します。
悲しそうなたたずまいに心惹かれる
都内の私立大学病院で働く医師・山口恵美さん(仮名・30歳)は、最近仲良くなった、外資系金融マンの達郎さん(仮名・34歳)との距離が、なかなか縮まらないことにモヤモヤしていました。
達郎さんとの出会いは2か月前。同じく医師である女友達と一緒にいった、とあるバーでのことです。
そのお店の奥のボックス席では、結婚式の三次会が行なわれていました。その席にいたのが達郎さんだったのです。仲間が盛り上がっているときでも、一歩引いたところで、どこか悲しげな目をしてその光景を眺めている、そんな達郎さんの姿が恵美さんの心にひっかかりました。
恵美さんは医師ということもあり、相手の様子から感情をくみ取ることには自信があります。なぜ、達郎さんは悲しそうにしているのか、そのことを頭の片隅で考えながら、隣にいる友人の話にあいづちを打っていました。
「ひょっとして、この人は花嫁のことが好きだったのかもしれない。だとしたら、彼にとってこの場は辛いものに違いない。そんな辛い思いをしてまで、三次会にまで来ているということは、彼はこの日を彼女との決別の日にしようとしているのかな」
達郎さんは長身で筋肉質、美しい手の形をしており、爪が楕円形に整えられて磨かれている。清潔感ある雰囲気がある達郎さんは、恵美さんの好みドストライクの外見をしています。だからこそ、その姿を視界の端に置きながら、そんな想像をしていたそうです。
恵美さんにとって無関係な人達のパーティーですが、達郎さんがあまりにも好みの外見であることと、まとう悲しみのオーラが印象的で、ついそのような想像をしてしまったとのこと。
そして、機会は意外な形で訪れます。それから1時間後、恵美さんがトイレから出ると、ちょうど向かいの男性用トイレの扉が開き、中から達郎さんが出てきたのでした。
「あ!」と思った恵美さんに、なぜか達郎さんも恵美さんに会釈をしてきます。ひょっとしたら、恵美さんが達郎さんを見ていたことを、達郎さんも気になっていたのかもしれません。その場で、どちらからともなく、言葉を交わした2人。そして、「良かったら、この後飲みませんか?」唐突の達郎さんからの誘いでした。
アイコンタクトで思いは通じる