洋一さんは、卒業してからピアニストとして独立することを願いつつも、音楽で生活していくのは厳しい。卒業後は父親の会社で不動産販売のノウハウの修業を積み、宅建の資格を取得し、大手の不動産会社に就職。現在はマンション販売の営業をしています。
千春さんは、洋一さんに一気に親しみを感じました。共通の知人も多く、音楽の趣味も感性も合う。打ち合わせが楽しみになってから数回経過し、今日は最終日です。そんな今日にかぎって、洋一さんはなぜか千春さんと会ってから、ずっとソワソワしているように見えます。
5万円の誕生日プレゼントを受け取る
一連の打合せを終えてから、近くの駅まで、洋一さんに車で送ってもらった千春さんですが、クルマの中でもなぜだか落ちつかない様子の洋一さんが気になって仕方ありません。
ひょっとして、工事に何か大きなミスでもあったのかしら。そんな不安を抱えながら、車を降りた千春さんに、思いつめた表情の洋一さんが千春さん声をかけて、小さな包みを渡してきたのです。
「これは、なに??」 海外のジュエリーブランドの包装紙にくるまれた包みを受け取った千春さんは、心配そうに聞きました。
すると洋一さんは「この前、千春さんの誕生日でしたよね。どうぞ」と。
思いがけない洋一さんの好意に、千春さんの心はグンと動きます。

1日8時間以上練習しても苦にならないほどピアノに打ち込んでいた。
年下男性から告白される、アラフォー既婚者女性は多い…~その2~に続きます。